幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「侏儒の言葉」 芥川龍之介著 ”物事は見る立場により解釈も変わる”

2015-05-06 03:45:32 | 本の紹介
「侏儒」とは体の小さい人、また知識のない人の蔑称 

処世術
 最も賢い処世術は社会的因習を軽蔑しながら、しかも社会的因習と矛盾せぬ生活をすることである。

自然
我我の自然を愛する所以は、・・・少なくともその所以の一つは自然は我我人間のように妬んだり欺いたりしないからである。

阿呆
 阿呆はいつも彼以外の人人を悉く阿呆と考えている

可能
 我々はしたいことの出来るものではない。只出来ることをするものである。これは我我個人ばかりではない。我我の社会も同じことである。恐らくは神も希望通りにこの世界を造ることは出来なかったのであろう。

結婚
 結婚は性欲を調節することには有効である。が、恋愛を調節することには有効でない。

多忙
 我我を恋愛から救うものは理性より寧ろ多忙である。恋愛も亦完全に行われる為には何よりも時間を持たなければならぬ。ウェルテル、ロミオ、トリスタン 古来の恋人を考えて見ても、彼等は皆暇人ばかりである。

言動一致
 言動一致の美名を得る為にはまず自己弁護に長じなければならぬ。

文章
 文章の中にある言葉は辞書の中にある時よりも美しさを加えていなければならない。

感想;
物事は見る立場が変わると、その物事の解釈が異なるということを教えてくれています。
自分を苦しめている物事は、見方を変えると苦しまなくてよいことなのかもしれません。
そこからの脱却は一人では難しいと思います。そのためには出逢いが必要なのだと思います。
言葉との出逢い、本との出逢い、人との出逢い、病気との出逢いもあります。
人は出逢いにより苦しむこともありますが、出逢いにより助けられ成長していくのだと思います。

「昔話の深層」 河合隼雄著 ユング心理学とグリム童話 ”民話が語り継がれて来た理由”

2015-05-05 01:10:00 | 本の紹介
昔話には魂が込められている。大学生に「自分の人格形成に強い影響を与えた書物について」というレポート課題を出したことがある。このときに、幼少期の体験として昔話をあげる人が案外に多く驚いたことがある。昔話のもつ力の偉大さをあらためて感じさせられたものである。
昔話の発生の心理側面は次のように説明できる。ある個人が何らかの原型的な体験をしたとき、その体験をできるかぎり直接的に伝えようとしてできた話が昔話の始まりであると思われる。それが原型的であるということは、人間の心の不偏性につながるものとして、多くの人にうけいれられて、時代を超えて存在しつづけることを意味している。
グリム童話を中心に取り上げられている。
・トルーデさん(グレードマザーとは何か)
 ・母なるもののやさしさ、恐ろしさ
 ・見てはならない真実、言ってはならない真実
・ヘンデルとグレーテル(母親からの心理的自立)
 ・さまざまな母親離れ
 ・親の影を子どもが知ると・・・
・ものぐさ三人むすこ(「怠け」が「創造」をはぐくむ)
 ・無意識の願望
 ・「無用の用」の教え
・二人兄弟(影の自覚)
 ・「真実」と「嘘」
 ・影・・・誰もがもつ黒い半面
・いばら姫(思春期に何が起きるか)
 ・「眠り」と「目覚め」
 ・変身をめぐって
 ・「時」は満ちる!
・忠臣ヨハネス(トリックスターのはたらき)
 ・「見てはならない部屋」
 ・心にはトリックスターが住んでいる
・黄金の鳥(父性原理をめぐって)
 ・父なるものの役割
 ・欠点、弱点がプラスに働く
・なぞ(男性の心のなかの女性)
 ・男女関係になぞがつきまとう訳
・つぐみの髭の王さま(女性の心のなかの男性)
 ・父親が娘に抱くひそかな願い
 ・「アニムス」が女性を変える
 ・女性の精神の秘密
・三枚の鳥の羽(自己実現する人生)
 ・「自己に至る道」の入り口で
 ・真実は「第三の道」にある

感想;
本当は怖いグリム童話と言われています。グリム兄弟が民話を集め、そのお話を変えたりしてグリム童話を創りました。そのグリム童話を取り上げて、心の深層を取り上げています。

「世界反米ジョーク集」 早坂隆著(3)  ”秘密保護法” 何が秘密事項で何が秘密事項でないかは政府が決める

2015-05-04 00:54:48 | 本の紹介
非常識
 中東のある町に赴任してきたアメリカ人のビジネスマンが、アパートを借りた。しかし、彼はその新居に大きな不満があるようだった。彼はアメリカの友人に電話をした。
「まったくアラブ人というのは常識のない連中だよ」
「どうしたんだい?」
「右隣の部屋の奴は深夜まで壁をドンドンと叩くんだ。左隣の奴は明け方までコップを壁にぶつけて割るんだ。まったくクレイジーな奴らさ。信じられないね。常識のない連中には本当にウンザリするよ」
「それは困るだろう。そんな時、君はどうしているんだい?」
「俺かい?俺はいつも朝まで大好きなトランペットを吹いて気を鎮めている」

若者の危惧
 中東を旅していたアメリカ人の若者が、窃盗の容疑で地元の警察に捕まった。法廷に立たされた彼は裁判官に向かって言った。
「僕はとても不安なんです。こんな遠い異国で裁かれるなんて。僕は自分の生まれた国であるアメリカ合衆国での裁判を望みます」
それを聞いた裁判官は苦笑いしながら答えた。
「安心しなさい。いくらここがあなたにとって異郷の地であろうと、法は常に公正に執行されますから」
若者はため息をつきながら呟いた。
「だから困るんじゃないか・・・」

イラク復興政策要領
 アメリカとイラクの首脳が、今後のイラクの復興政策について話し合っていた。長い議論の末、新イラクの政治はひとまず両国が協力し合って行うが、それはあくまでもイラク人が中心となるというアメリカ案が採用された。以下はその要綱である。
1.戦後政策について大きな問題はイラク人が決定し、小さな問題についてはアメリカ人が決定する。
2.何が大きな問題で何が小さな問題かはアメリカが決定する。

感想;
イラク復興政策要領のジョークを見て、日本の「秘密保護法」のことを思い出しました。
「政府が何が秘密事項に該当するかを決める」とありました。
ジョークと同じレベルです。「何が秘密事項で何が秘密事項でないかは日本政府が決定する」思わず笑ってしまいました。



「昔話にはウラがある」 ひろさちや著 "こぶとり爺さん” ”浦嶋太郎” ”アリとキリギリス”

2015-05-03 00:01:21 | 本の紹介
こぶとり爺さん
 この話は「宇治拾遺物語」巻1ノ三に“鬼に瘤とらるる事”に出てくる。
 「これも今は昔、右の顔に大なる瘤ある翁ありけり。大かうじの程なり。人にまじるに及ばねば、薪をとりて世をすぐるほどに山へ行ぬ」 “大かうじ”とは大きな蜜柑のこと。「隣にある翁、左のかほに大なる瘤ありけりが・・・」 と知って嬉しくなって酒場でホステスさんたちに「こぶとり爺さんのこぶは、どちらについていたか知ってるか?」と尋ねたら、その話を知らなかった。そこで話をしたら、「こぶとり爺さんではなく、こぶ取られ爺さんでは?」と言われた。で、ホステスにはクイズにならなかった。
右こぶ爺さんは、鬼の前で踊って、それがとても上手だったので、鬼たちはあしたも来て踊れと、その爺さんに宝物を与え、右のこぶを取った。
その話を聞いた左こぶ爺さんは自分のこぶを取って欲しくて山に出かけ鬼の前で踊ったがあまりにも下手だったので、鬼はきのうの爺さんと違うことに気付き、左こぶじいさんに担保のこぶをくっつけた。それで左こぶ爺さんは両こぶになってしまった。
左こぶじいさんが鬼の前に来た時になぜ鬼は気が付かなかったのか?昨日のじいさんならこぶがなくなっている。しかし、左こぶ爺さんにはこぶが付いている。なぜ気が付かなかったのか?
右こぶじいさんには両方にこぶがあったと考えたらどうだろうか?それなら右こぶ爺さんは右こぶを取られたので左こぶが残っていた。それなら鬼も気が付かなかったと思われる。

浦島太郎
 何故、乙姫さんは玉手箱を与えたのか?浦島太郎が郷里に戻ったら700年が経過していて、知っている人は皆亡くなっていなかった。玉手箱を開けたらお爺さんになってしまった。亀を助けた浦島太郎に何故お爺さんにさせてしまうような玉手箱を与えたのか?
浦島太郎の物語は、「御伽草子」にある。
「昔丹後の国に、浦嶋というもの侍りしに、その子に浦嶋太郎と申して、年の齢二十四五の男有けり」
そして、浦嶋は亀を助けた。その翌日、小舟に美しい女性がただ一人乗ってやってくる。乗っていた船が沈み、自分はこの小舟に乗って流されてきた。自分を本国まで送ってくれと。その女性に頼まれて浦嶋太郎は「はるか十日あまりの航路を送って」行く。竜宮城で、浦嶋太郎はその女性を妻として三年を送った。浦嶋太郎は妻に一時休暇を願い出る。国帰って、父母にこのことを報告してくるというのだ。それで女は夫に一つの箱を持たせて帰らせた。ふるさとは一変している。浦嶋はびっくりして老人に尋ねた。「その浦嶋とやらは、はや七百年以前の事と申し伝へ候」と言う。
「御伽草子」では「中より紫の雲三すぢ上りけり。さて浦嶋は鶴になりて、虚空に飛び上りけり」と記している。お爺さんではなく鶴になったのである。お爺さんなら、七百歳である。人間はそこまで生きられない。しかし、鶴であれば七百歳まで生きられる。何故なら「鶴は千年、亀は万年」である。
竜宮城の乙姫さんは浦嶋太郎に三百年も寿命をプレゼントしたのだ。

蟻とキリギリス
 元々の話は「蟻と蝉」です。蝉がいない国で、蝉の代わりにキリギリスになった。
冬に蟻を訪ねたキリギリスに「夏には笛を吹いていたのだから、冬には踊ればいいんじゃない?!」と言っている。
昨今の子ども向けでは、「まあ、キリギリスさん、そんなにお痩せになって!お気の毒に・・・。外は寒いでしょう。どうぞ、おはいりください」とアリはあたたかくキリギリスを迎える。ご馳走をいただきながら、キリギリスはぽろりと涙を流して言う。「アリさん、ありがとう。このご恩は一生忘れません。わたしも来年からは、一生懸命に働きます・・・。」
パロディ版は「キリギリスがアリを尋ねたら、アリは過労死で死んでいた。キリギリスさんはアリさんの残してくれた食べものを食べて冬を過ごした」
アリは働き過ぎで自業自得だと言っても子どもたちは納得してくれない。
「新版・アリとキリギリス」では、やがて冬になった。キリギリスは夏の間にしっかり練習しておいた音楽でもって、コンサートを開き、アリにチケットを買って貰った」。めでたし、めでたし。キリギリスはミュージシャンなんだ。エコノミック・アニマルのアリも、冬になって働けないときは、芸術鑑賞をすればいい。
つまりアリはアリの生き方を、キリギリスはキリギリスの生き方をすればいい。そして、アリとキリギリスが仲良くこの世界を生きればいい。若者たちはそう主張している。若者たちのつくりだしたことばに、「アリギリス」がある。アリとキリギリスの「共生」の思想を謳ったことばである。

「ユマニチュード入門」 本田美和子、イブ・ジネスト、ロゼット・メレスコッティ著 ケア技法

2015-05-02 04:49:24 | 本の紹介
ユマニチュードは、イブ・ジネストとロゼット・メレスコッティの2人によってつくり出された、
知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法。
1)見る
自然な対応、視線を同じ高さにしてから見る。
 子どもと話をする時に上からではなく、子どもの視線と同じ高さにしてから話しかけるのと同じ。
 食事では食べものを先ずは目の高さにして、被介護者に食べものを見て貰い何を食べるかを知ってから食べて貰う。

2)話す
名前を呼ぶ、これからやることを伝える、大丈夫です等安心感を与える、前向きな言葉を使う。
 次に何をするかがわからないと不安になるので、介護を行う時は行う作業を伝えて安心感を持って貰う。

3)触れる
一定の重みをかけて触れる、指先だけでなく手のひら全体を使う、
 触れる時は飛行機が着陸するイメージ、手を話す時は離陸するイメージで触れる。

4)立たせる
 寝たままにしておくのではなく、出来る限り立たせるようにする。
 寝たきりの人でも、助けがあると少しでも立つことができる人がいる。
 立たせることで、元気が戻って来た人が多くいる。

感想;
介護の職場は人手不足、介護する側も重労働と言われています。
そのような状況で、ちょっとしたプラスαがあると大きな違いがあるように思いました。
人とひととの触れ合い、温かさを感じる介護のように思いました。