・「は」と「ほ」と「へ」と「ふ」という字は、それぞれまったく別の性格を持っているけれど、笑うことがみんな大好き。
・この物語の主人公、小さい“つ”だ。とてもかわいい男の子なんだ。ユーモアがあって、そしてとても観察力が優れている。いつもまわりの人やもの、そして周囲で起きていることに気を配り、相手の立場で物事を考えている。
だが残念なことに、彼は口がきけない。まわりの人が話していることはわかるけど、自分ではひと言も話せないんだ。
・「誰が一番えらいかはわからないけど、誰が一番えらくないかは知っている。それは小さい“つ”さ。だって、彼は音を出さないからな。そんなの文字でもなんでもないさ」
・小さい“つ”は、心の中で何度も何度も答えの出ない問いを繰り返していた。そしてついに、思いつめた表情でふとんから起き上がった。
役立たずの僕が消えて、誰がさびしがる? そうだろう?
着替えをすませると、一通の置き手紙を書いて、家を出てしまった。
「僕はあまり大切ではないので、消えることにしました。さようなら」
・「どうしましょうか? 訴えますか? それとも訴えませんか? あなたからのOKがあれば、訴えますよ」
ところが、実際に(弁護士の)口から出た言葉は、こうなった。
「どうしましょうか? 歌えますか? それとも歌えませんか? あなたカラオケがあれば、歌えますよ」
・そして、とうとう話すこと自体をやめてしまう人も出てきたのだった。
唯一困らなかったのは、国会で朝から晩まで演説しかしていない政治家だけだった。彼らはいつものようにしゃべり続けた。政治家も、それを聞いている人たちも、彼らの演説の筋が通っていないことにはまったく気づかなかった。
ある政治家評論家によれば、それは政治家の演説にはもともとほとんど意味がないから、日本語がおかしくなっても、意味が通じないことに変わりはない、ということだった。
・小さな“つ”へのメッセージ
・・・
今回のことで、君がいかに重要で、人間の会話に欠かすことのできない大きな存在であるのかが痛いほどわかりました。なぜあのときあんなことをいて君の気持ちを傷つけてしまたのかと、とても悔やんでいます。
心から謝ります。みんな君がいなくて本当にこまています。そして、とてもさびしい思いをしています。君の帰りをずとまています。かならず私たちのもとへかえてくれると信じています。お願いです。はやくかえてきてください。
五十音村の仲間たち
・「我々はいつもそうだが、一度なくしてから、それがいかに大事だったかってことに気づくだよね」
感想;
大切なものは失った初めて気付くと、よく言われますが本当にそうだと思います。
失ってからでは遅いのですが。
それと自分がとても大切な存在であることも、なかなか自分は意識できない場合があります。
小さな”つ“君もそうでした。
小さな”つ”は間を取っていることに気付きました。
『お猿のかごや 』の歌を”さ”を抜いて歌うのをやった記憶があります。
えっさ えっさ えっさほい さっさ
お猿のかごやだ ほいさっさ
⇒”さ”を抜くと
えっ えっ えっほい っ
おるのかごやだ ほいっ
⇒”さ”をちに替える(小学生の時にやったような)
えっち えっち えっちほい ちっち
おちるのかごやだ ほいちっち
小さい”つ”を抜くと
えさ えさ えさほい ささ
お猿のかごやだ ほいささ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます