安易な作りが目立ち、「イマイチ感」が強い今シリーズですが、今回は安易さは少なくなったように思います。でも、何か切れがない気がします。
このドラマ、風変りな係長(渡瀬恒彦)のもと、個性豊かな捜査員(刑事)が動き回ります。それも、村瀬(津田寛治)と青柳(吹越満)のいがみ合いを中心に、皆が突っ込みボケ合う様子がひとつの魅力となっています。(今シリーズは村瀬と青柳の地位の逆転による「主任ネタ」が中心)
さて、事件発生、現場検証時に、いくつかのキーワードが浮かび、それが、迅速な役割分担により、隠れた事実が浮かび、真相に向かって集約されていくのが小気味良いのですが、立ち止まって悩む間が小さいので、あまりにも目まぐるしく、視聴者が置いてきぼりにされることもあります。
今回のキーワードは、「謎のカギ→秘密の部屋」「髪の長い女」「被害者の口についていたルージュ」「凶器のペーパーナイフ」が浮かび、それを調査していくうちに、被害者の性格や生活や過去、被害者周辺の人物関係、容疑者などが浮かんできます。たいがい、容疑者として取り調べられる人物は真犯人ではないというのは、このドラマに限らず、刑事モノのお約束ですが、特に9係に関しては、真犯人を隠すのが上手だと思います。
ただ、ミスリードをさせるためや、役者さんの出演配分やロケの都合のせいか、不自然なストーリー展開があるように感じました。
★気になる点
①タイトルに疑問
タイトルの「秘密の部屋」の正体は、被害者の密かな趣味の女装を楽しむための部屋だったわけですが、直接の犯行の動機になったわけでもありませんし、犯行現場でもありません。本筋にまったく関係ないわけではありませんでしたが、どちらかというとミスリードに導くための要素が強いです。
それなのにそれをタイトルにつけるのには疑問を感じました。やはりタイトルはストーリーの本質に関わるものであるべきだと思います。
②捜査ペアの不自然さ
現場検証時に係長が使途不明の鍵を見つけます。それがタイトルの「秘密の部屋」の鍵だったわけですが、係長がこの鍵に強い興味を持ち、被害者邸でその鍵が合致する部屋や金庫などを(家人の承諾なしに勝手に)探します。
なのに、実際にその秘密の部屋を見つけたのは、村瀬、小宮山(羽田美智子)ペアでした。
また、最後に真犯人に対峙するシーンは、係長と村瀬ペアでした。今回の被害者は自殺に追いやっていて、その復讐を考えていた父と婚約者という背景なので、ここは、係長の娘とその彼氏の浅輪(井ノ原快彦)が妥当に思います。
制作上の都合(俳優の出演時間の配分とか、ロケなどによる俳優の都合)かもしれませんが、以前はもっとこういう点にこだわっていた気がします。
早瀬川(原沙知絵)の存在意義も微妙。
それなりの女優さんなので、チョイ役でで済ます訳にいかず、それなりの活躍が必要になります。今回は被害者の体にいじめの痕を見つけ、それが他者への攻撃性の強さの理由付けをしていました。自殺に追い込んだ仕打ちはひどいもので、それの理由付けはいらないように思え、無理やり原さんの活躍を押し込んだ気がしました。
③いろいろありすぎる被害者
今まで述べてきた理由などによって、今回の被害者は実にバラエティに富んだ要素を持っています。
・過去にいじめを受けていて、その反動で部下をいじめ自殺に追いやった
・副社長の息子で、傲慢で仕事はしない
・女装癖があり、若手代議士ともつながりがあった
・神経質(自宅にシュレッダー→係長の活躍)
・無能な割りに、巧妙な細工で部下を追い詰めた
④被害者が極悪すぎる
このドラマだけでなく、被害者がひどいやつで、こういう表現はよくないと思いますが「殺されて当然なやつ」で、加害者が止むに止まれず罪を犯してしまうというパターンが少なくないです。
被害者がいなければ、善良な加害者は不幸にならず、罪を犯すことはなかったはず。その上、罪を犯してしまって、さらに不幸になってしまうという不幸のスパイラル。視聴後、その理不尽さに暗い気持ちに陥ってしまいます。
はっきり罪を犯さず、周囲に毒を撒き散らす人間のほうが殺人より罪が重いという気さえしてしまいます。
あまりこういうパターンは多用しないで欲しいです。
⑤正当防衛は?
図らずも人を殺めてしまいましたが、今回の場合、正当防衛が成り立たないのでしょうか?
それを立証するのは難しいですし、裁判では殺意があったことを突かれるでしょうが、凶器は被害者が用意したことは明白なので、何とかなるかもしれません。
ま、あの時点で警察や救急に通報したら、ドラマにはなりませんが。
その他、些細な突っ込み
村瀬、小宮山コンビが秘密の部屋を検分中、謎の女が登場し、若手代議士の女装癖が発覚するシーンがありました。
靴を見て部屋に誰かがいるのに気がつき、立ち止まるシーンですが、足が綺麗過ぎです。
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脱兎のごとく逃げ出すシーンです。静止画で分かりにくいですが、走り方が女性っぽいです。体も華奢ですし。
この後、視聴者に「おっ!」と言わせる演出ですので、突っ込むのは野暮ですね。
このドラマ、風変りな係長(渡瀬恒彦)のもと、個性豊かな捜査員(刑事)が動き回ります。それも、村瀬(津田寛治)と青柳(吹越満)のいがみ合いを中心に、皆が突っ込みボケ合う様子がひとつの魅力となっています。(今シリーズは村瀬と青柳の地位の逆転による「主任ネタ」が中心)
さて、事件発生、現場検証時に、いくつかのキーワードが浮かび、それが、迅速な役割分担により、隠れた事実が浮かび、真相に向かって集約されていくのが小気味良いのですが、立ち止まって悩む間が小さいので、あまりにも目まぐるしく、視聴者が置いてきぼりにされることもあります。
今回のキーワードは、「謎のカギ→秘密の部屋」「髪の長い女」「被害者の口についていたルージュ」「凶器のペーパーナイフ」が浮かび、それを調査していくうちに、被害者の性格や生活や過去、被害者周辺の人物関係、容疑者などが浮かんできます。たいがい、容疑者として取り調べられる人物は真犯人ではないというのは、このドラマに限らず、刑事モノのお約束ですが、特に9係に関しては、真犯人を隠すのが上手だと思います。
ただ、ミスリードをさせるためや、役者さんの出演配分やロケの都合のせいか、不自然なストーリー展開があるように感じました。
★気になる点
①タイトルに疑問
タイトルの「秘密の部屋」の正体は、被害者の密かな趣味の女装を楽しむための部屋だったわけですが、直接の犯行の動機になったわけでもありませんし、犯行現場でもありません。本筋にまったく関係ないわけではありませんでしたが、どちらかというとミスリードに導くための要素が強いです。
それなのにそれをタイトルにつけるのには疑問を感じました。やはりタイトルはストーリーの本質に関わるものであるべきだと思います。
②捜査ペアの不自然さ
現場検証時に係長が使途不明の鍵を見つけます。それがタイトルの「秘密の部屋」の鍵だったわけですが、係長がこの鍵に強い興味を持ち、被害者邸でその鍵が合致する部屋や金庫などを(家人の承諾なしに勝手に)探します。
なのに、実際にその秘密の部屋を見つけたのは、村瀬、小宮山(羽田美智子)ペアでした。
また、最後に真犯人に対峙するシーンは、係長と村瀬ペアでした。今回の被害者は自殺に追いやっていて、その復讐を考えていた父と婚約者という背景なので、ここは、係長の娘とその彼氏の浅輪(井ノ原快彦)が妥当に思います。
制作上の都合(俳優の出演時間の配分とか、ロケなどによる俳優の都合)かもしれませんが、以前はもっとこういう点にこだわっていた気がします。
早瀬川(原沙知絵)の存在意義も微妙。
それなりの女優さんなので、チョイ役でで済ます訳にいかず、それなりの活躍が必要になります。今回は被害者の体にいじめの痕を見つけ、それが他者への攻撃性の強さの理由付けをしていました。自殺に追い込んだ仕打ちはひどいもので、それの理由付けはいらないように思え、無理やり原さんの活躍を押し込んだ気がしました。
③いろいろありすぎる被害者
今まで述べてきた理由などによって、今回の被害者は実にバラエティに富んだ要素を持っています。
・過去にいじめを受けていて、その反動で部下をいじめ自殺に追いやった
・副社長の息子で、傲慢で仕事はしない
・女装癖があり、若手代議士ともつながりがあった
・神経質(自宅にシュレッダー→係長の活躍)
・無能な割りに、巧妙な細工で部下を追い詰めた
④被害者が極悪すぎる
このドラマだけでなく、被害者がひどいやつで、こういう表現はよくないと思いますが「殺されて当然なやつ」で、加害者が止むに止まれず罪を犯してしまうというパターンが少なくないです。
被害者がいなければ、善良な加害者は不幸にならず、罪を犯すことはなかったはず。その上、罪を犯してしまって、さらに不幸になってしまうという不幸のスパイラル。視聴後、その理不尽さに暗い気持ちに陥ってしまいます。
はっきり罪を犯さず、周囲に毒を撒き散らす人間のほうが殺人より罪が重いという気さえしてしまいます。
あまりこういうパターンは多用しないで欲しいです。
⑤正当防衛は?
図らずも人を殺めてしまいましたが、今回の場合、正当防衛が成り立たないのでしょうか?
それを立証するのは難しいですし、裁判では殺意があったことを突かれるでしょうが、凶器は被害者が用意したことは明白なので、何とかなるかもしれません。
ま、あの時点で警察や救急に通報したら、ドラマにはなりませんが。
その他、些細な突っ込み
村瀬、小宮山コンビが秘密の部屋を検分中、謎の女が登場し、若手代議士の女装癖が発覚するシーンがありました。
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靴を見て部屋に誰かがいるのに気がつき、立ち止まるシーンですが、足が綺麗過ぎです。
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脱兎のごとく逃げ出すシーンです。静止画で分かりにくいですが、走り方が女性っぽいです。体も華奢ですし。
この後、視聴者に「おっ!」と言わせる演出ですので、突っ込むのは野暮ですね。