英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ブルドクター』 第4話、第5話、第6話

2011-08-16 16:42:03 | ドラマ・映画
第4話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 珠実(江角マキコ)は、康介(青木綾平)が知佳(石原さとみ)を友達として家に連れて帰ってきたことに驚く。大達家で食事をした知佳は、珠実が幸せな家庭を築いている様子を見てうらやましくなる。
 翌日、神社に行って良縁祈願をした知佳は、その神社近くで若い女性が倒れているのを見かけ、救急車を呼び上都大学病院へ。その女性・瑠璃はドナーカードを持っていて、心臓を親族優先で提供するという意志表示をしていた。彼女には心臓移植を待つ入院中の母親・佐江子がいた。瑠璃はクモ膜下出血で脳死状態に。
 クモ膜下出血の原因は病気か外傷か不明だった。事件性がなければ脳死判定の後に心臓移植が行われるが、事件性がある場合は司法解剖となり、移植手術は行われない。現場検証の結果、知佳は事件性なしと判断するが、佐江子は「娘の心臓はもらえない」と移植を拒否し…。


 面白かったと思います。
 若い女性の死の真相、司法解剖と心臓移植とどちらを優先させるかで悩む知佳の苦悩、知佳と珠実の絡みなど、見ごたえがありました。


第5話と第6話は同様な感想を持ったので、まとめて感想を書きます。
第5話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 成海(ブラザートム)、藤村(大野拓朗)、八代(マギー)が男性の変死体を発見した。連絡を受けた珠実(江角マキコ)と知佳(石原さとみ)が現場に駆け付ける。
 遺体の司法解剖が決まり、珠実が担当することに。解剖には珠実の他、知佳、名倉(稲垣吾郎)、成海らが立ち会う。解剖の結果、亡くなった男性は、まだ日本で確認されていない新型感染症に感染していた疑いがあると判明し、珠実たちにも感染した可能性が。その感染症の致死率は30%だという。
 ウイルスを拡散させないように、珠実たちは隔離される。そんな中、知佳が体調不良を訴える。その症状は、新型感染症の初期症状とよく似ていて…。


第6話
≪ストーリー≫(公式サイトより)
 珠実(江角マキコ)宛に脅迫めいた内容の手紙が届く。珠実が解剖した遺体の死体検案書に対して不満を抱いた遺族からのクレームと思われた。その後、珠実に手紙の差出人と名乗る男から電話がかかってくる。その男の父親は3年前にビルから転落して死亡し、珠実が解剖して自殺と判断したが、男は父が何者かに殺されたのだと信じていた。珠実に恨みを抱く男は、康介(青木綾平)を誘拐したと珠実に告げる。彼の正体は、3年前に珠実が解剖した柳田利夫という男性の息子・晃彦(入江甚儀)だった。
 珠実は晃彦に脅されて一人で康介の行方を追うが、行き詰まってしまう。どうしていいか分からなくなった珠実は、知佳(石原さとみ)に康介が誘拐されたことを打ち明ける。知佳から、柳田の死は自殺で間違いなかったのかと問われた珠実は、意外な言葉を口にする…。
 

 実際はあっては困るウィルス感染ネタ、誘拐ネタですが、ドラマとしては良く題材になりますし、個人的には好きですが……

 第1話の記事でも述べましたが、このドラマの主題は「死因究明」を通して描かれるヒューマニズムと、仕事と家庭の狭間で、葛藤する女性たちのリアルな生き様で、その主人公珠実が周囲の人々とのトラブルを恐れずに、強い信念をもって突き進む、ブルドーザーのような「最強の女」でありながら、家庭では家事や子育てに四苦八苦する。それに加え、周囲に流されがちであった準主役・知佳が、珠実と関わりの中で、成長していく様が描かれていきます。
 その上、名倉准教授と知佳の恋愛、珠実との衝突、武田教授(小日向文世)のアルコール依存症+教授を脅す存在など盛りだくさんと言えば聞こえが良いですが、詰め込みすぎです。

 その弊害として、肝炎の疑いのある遺体の解剖で、教授がアルコール依存症による手の震えによって、大学院生に針を指してしまうという事件も新型感染症と並行して起こさせてしまっている。
 また、第6話では、事件の捜査がずさんになってしまいました。
 
 主眼が事件ではなく、死因究明やその過程におけるドラマにあると考えれば、詰め込み過ぎの弊害として、上記の件は目を瞑るとしても、ドラマとして許せないことがあります。
 それは、登場人物が主人公の活躍(葛藤)やストーリー展開の小道具になってしまっている点です。

①珠実の息子が我儘過ぎる
 かなり厳格な母親(珠実)、そのフォローが上手そうな父親、さらにしっかりした珠実の母などに育てられている割には、我儘な息子。各話のエピソードで母親を理解し、成長を遂げるにもかかわらず、翌週の冒頭から我儘を言い、珠実を悩ます。
 まさに、珠実の葛藤のための小道具としか言えません。

②いきなりビビりになった神岡刑事(阿南健治)
 知佳のお守役の存在で、けっこう知佳に振り回されているが、嫌な顔は見せず知佳のフォローをしていましたが、第5話の感染症の話では、ビビりになってパニックを起こしてしまう。普段から、怒りっぽいとか知佳を馬鹿にするとかそういう自分本位的欠点を見せていたのなら、パニックも理解できますが、突然のビビりには違和感を感じました。
 珠実を怪我させて、名倉に生きた人間に対して処置を施さなければならない状況に追い込むための、神岡のパニックが必要だったわけです。


 そりゃ、どんな登場人物もストーリー展開のための小道具だとは思いますが、脇役を丁寧に描くとドラマにも厚みが出てくると思います。
 話の核は面白いと思うだけに、詰め込み過ぎによって逆に薄っぺらになってしまうのは残念です。
コメント (4)
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