英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

女子バレーボール ワールドグランプリ2013 その1「大会方式、予選リーグ結果」

2013-09-03 18:02:21 | スポーツ
 今年で21回目ということが、まず驚き。なぜ「驚き」なのかというと、大会方式が非常に変則。よく続くものだ。
 今年を例にとると、参加国は20カ国。おそらく、5地区の枠(参加チーム数)が決まっていて、世界ランク順に選ぶ(招待もしくは参加を打診)のだろう。
 今年の参加国は以下の通り(カッコ内の数字は世界ランク)
アフリカ代表 アルジェリア(14位)
アジア代表 日本(3位)、中国(5位)、カザフスタン(30位)、タイ(12位)
ヨーロッパ代表 ブルガリア(43位)、チェコ(24位)、ドイツ(8位)、イタリア(4位)、オランダ(20位)、ポーランド(15位)、ロシア(6位)、セルビア(9位)、トルコ(7位)
北中米代表 キューバ(13位)、ドミニカ共和国(10位)、プエルトリコ(18位)、アメリカ(1位)
南米代表 アルゼンチン(19位)、ブラジル(2位)

 予選ラウンドは3週間にわたって、毎週末各4チームの5グループに分かれ、各チーム合計9試合を戦う。決勝ラウンドは、予選ラウンドの上位5チームと開催国(2013年は日本)を加えた6チームで開催される。
 開催国は無条件で決勝リーグに進出でき、それなのに予選リーグに参加するという変な形式。それでも、今年の場合、予選の組分けが偏りがない点が改善されていた。
 2年前の記事を見ると、今年の大会方式と違っていて、同じチームと2度同じ組になるという偏りがあった。さらに、中継局もTBSであったし、参加国も16チーム。おまけに、決勝リーグは8チームで、(準決勝リーグと呼んだ方が妥当?)で上位4チームが準決勝、決勝を戦うという今大会とまったく違う方式であった。
 しかも、この決勝リーグで日本は5位に終わり、準決勝と決勝の中継はなかった。今年のフジテレビの中継も、サブタイトル「真夏の世界一決定戦」に偽りありと文句を言いたいが、一昨年のTBSの中継を振り返ると、マシに思えてくる。

 さて、予選リーグの最終成績は
1位 中国(5位)    9勝0敗 勝点25 2-0
2位 ブラジル(2位)  8勝1敗 勝点23 ブルガリア 2-1
3位 セルビア(9位)  7勝2敗 勝点23 アメリカ、中国 0-2
4位 アメリカ(1位)  8勝1敗 勝点22 ブラジル 3-1
5位 イタリア(4位)  7勝2敗 勝点21 ロシア、ドミニカ共和国 1-1
6位 日本(3位)    7勝2敗 勝点19 ブルガリア、アメリカ 1-2
7位 ロシア(6位)   7勝2敗 勝点19 アメリカ、ブラジル 1-2
8位 トルコ(7位)   6勝3敗 勝点19 日本、中国、イタリア 0-3
9位 ブルガリア(43位) 6勝3敗 勝点19 中国、ドミニカ共和国、アメリカ 2-2
国名の後の順位は世界ランク、勝点の次の国名は敗れた相手、最後の数字は上位9カ国との勝敗

 勝敗より勝点重視なのでセルビアが3位となっている(いい加減にこのシステムを廃止すればいいのに)。
 アメリカとブルガリアが上位との対戦が4試合と多いが、ともに好調。特にブルガリアはランキングは43位ながら、ブラジル、日本を破っていて、強豪との当たる数も多かった(ランクが低いためか?)。ドミニカ共和国に敗れたのが痛かった。
 そのドミニカ共和国は、ブルガリアの他にイタリアも破っている。全体でも6勝3敗(勝点17)で10位だった。
 ロシアは7位に終わったが、ガモアが代表を辞退したのが響いたか?
 キューバの0勝9敗(19位)は寂しい。
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世界柔道2013 その6(終)「仕掛けが遅い日本選手」(第6日・個人戦最終日)

2013-09-03 14:55:48 | スポーツ
 大会6日目は、個人戦の最終日。女子は78kg超級(田知本愛・3位)、男子は100kg級(小野卓志・5位)と100kg超級(七戸龍・7位)が行われた。
 各選手とも、≪あと一歩≫という気がしないでもないが、奮闘したように思う。特に田知本愛の準決勝は、指導の数の差で敗れたが、主審の主観(「日本に厳しい」or「判定眼の未熟さ」)によるものところが大きい。
 現在、女子78kg超級は傑出した選手はおらず、優勝・オルティス(キューバ)、準優勝・アルセマン(ブラジル)、3位の田知本、キム(韓国)、5位・アンデオル(フランス)らの実力は拮抗している。その中で、試合運びのうまいオルティスがロンドン五輪に続いて金メダルに輝いた。(田知本戦の優勢勝ちは、金メダリストという「箔」によるものかもしれない)
 男子100kg超級は、リネール(フランス)が圧倒的な力を示して優勝した。
 前回記事で触れなかったが、男子90kg級は面白かった。今大会、銅メダルに終わったが、イリアディス(ギリシャ)の力強さには惚れ惚れする。3位決定戦で見せた、相手の技を受け止め、投げ返すなんて芸当は、彼しかできない
 その彼が敗れた準決勝は、「力のイリアディス 対 技のゴンザレス」と称される対決だった。
 イリアディスの組手の圧力は凄まじく、並の選手では身動きが取れなくなってしまいそうだ。ゴンザレス(キューバ)はその圧力を持ち堪え、延長戦の末、有効の技を決めた。
お互いが技をなかなか出せない試合だったが、その緊張感はすごかった。
 決勝戦のゴンザレス×リパテリアーニ(グルジア)もレベルが高かった。ゴンザレスが仕掛け、それをリパテリアーニが切り返し、さらに、ゴンザレスが返すというしびれるシーンもあり、激戦の末、ゴンザレスが金メダルに輝いた。
 
 さて、先にも述べたように田知本の準決勝敗退は「指導」の数の差によるものだったが、田知本に限らず、日本選手は総じて技の仕掛けが遅い。
 確かにルール改正によって「組んで、投げる」が重視されてきているが、日本選手は「十分に組んでから、投げる」という気持ちが強すぎる
 確かに、十分に組めば(完成度90%以上)、技も決まりやすいし、崩れたり返されたりすることも少ない。しかし、十分に組むことにこだわり過ぎて、お互いやや十分(80%)ぐらいの組手で、動きに遅れが出てしまっている。
 80%の組手で、日本選手はより十分な組み手を目指して、技を仕掛けない。対して、外国選手は仕掛ける。この差が、日本選手は「消極的」と見なされて「指導」を取られてしまう。
 また、相手の動きをかいくぐったり抑えたりして、十分な組み手になったとしても、そこで相手は危険を察知して、「掛け逃げ」と取られない程度の見かけだけの技を仕掛けて逃げてしまうのだ。
 別角度で考えると、組手の十分さで日本選手の技の出すタイミングを見切られてしまうのだ。なので、90%を目指しても相手に備えられてしまうので、80%でも技を繰り出した方が決まる確率もそれほど低くならないように思える。
 もしかすると、普段の稽古で、不十分な組み手で技を仕掛けると注意されているのかもしれない。しかし、80%の組手からもある程度の投げをできるようにしておき、国際試合では積極的に技を繰り出すようにしないと、よい結果は出ないのではないだろうか。技がきれいに決まることは減るだろうけれど。
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