英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『八重の桜』 第36話 「同志の誓い」

2013-09-08 22:56:49 | ドラマ・映画
2つの説得力のない説得
Ⅰ 槇村の「建前・本音、使い分け論」を逆手に取り、聖書を教えることを認めさせる
槇村の「建前・本音、使い分け論」を逆手に取り、聖書を教えることを認めさせたわけだが……
・槇村→八重
 公(学校・生徒)で、「宣教師と結婚するが、自分は絶対にキリスト教の信者にはならない」と宣言することが女紅場で働く条件
 槇村曰く「心の中で何を信じようが、どうでもよい。大事なのは心、そこまでは奪わない。表向きだけ、外面だけ取り繕えばよい」(←要約)
・新島、覚馬→槇村
 表向き(建前)は英語を教えるだけ、実は聖書を読む(学ぶ)という一休さんばりのトンチで「聖書を教えるな」という槇村の条件をクリア

 八重に対する槇村の言葉を逆手に取り、やり込める。槇村も捕らえられた時に東京まで二人が駆け付けてきてくれたことの恩義に免じて、しぶしぶ了承。
 しかし、このふたつ、根本的なことで大きく異なる。
 女紅場の問題の場合、嘘をつくということは信条に反するが、表向きだけ偽れば、心の中では信者になっても構わない。……本音を許している
 聖書の授業の場合、建前は「聖書の授業はしない」で、本音は「聖書の授業をする」。……槇村は本音を許していない。(建前だけ繕うという方法は槇村と一致(逆用)しているが)

「槇村様だって、西洋から学ばなければならないと思っておいでだから、学校を許可してくださったのですよねぇ。……(中略)……この子たちが学ぶことの大切さを槇村様が分からねえはずがありません。
 今ここで聖書を奪えても、学びたいという気持ちまでは奪えねえ。…(以下略)」
 
 西洋から学ぶことと、聖書(キリスト教)を学ぶことを一緒にしている点が釈然としない。宗教と学問は別のように私は思う。

「生徒に西洋の文明を伝えておきながら、それを作り上げたキリスト教の考えだけは伝えないなんて、土台、無理な話だ。
 今は開かれた世、技術も思想もすべて入ってくる。その中から、我々が選び取るのです」(by覚馬)

 八重の言葉よりは説得力があるが、この言葉の前半部分は私にはよくわからない。それに「その中から後半の我々が選び取るのです」と言うのは生徒たちが選び取るのです」というのなら納得できる。

Ⅱ 仮校舎予定地での京都商人への説得
 確かに襄は誠意、熱意を見せたが、実際には商人たちを納得させたのは大垣屋だった。
 キリスト教がどういうモノか分かってもらうのは難しいかもしれないが、(寺院への説得の時もそうだったが)ただ「話を聞いてください」「お願いします」ではなく、キリスト教を理解してもらうようなエピソードが欲しかった。

隆盛の心情
 不遇の武士たちの受け皿になるべく行動する(西南戦争まっしぐら)
 第13話で「幕府は熟しすぎた柿だ(いずれ、すぐに潰れる)」と倒幕に気持ちが傾いた隆盛。「幕府が終わる」=「武士の夜が終わる」と覚悟を決めたはず。(キーとなったのは「征韓論」論争(第33話)のはずだが、その時の説明は不十分だった。
 それが不遇の武士のための「西南戦争」に動く隆盛の心の動きがよく分からない。
 倒幕した自分の行為の責任を取る為か……
 隆盛自身は戦に勝てるとは全く思っていなかったようで
「枯葉が落ちねば、次の花が咲けん。………そいでぇ、よか」
この言葉が、悲しい。

同志社
 新しい日本を創りたいと願う同志が集まる学校だそうだ。

心に残る台詞などなど
・(「愚かな、この会津もんがぁ!」という役人に対して)
 「会津の者は、大人しく恭順しねえのです。お忘れでしたか?」
 おお!、すっきりしたぞ!

・「新島様、グッドニュースです。たった今、女紅場をやめてまいりました。
  これからは、あなたのいく道が私の行く道です。あなたと同じ志を持っていきたいんです」
 こんなことを言われたら、襄でなくとも、ハグしてしまう。
 そのシーンを目撃した女紅場の女性、そっと立ち去る。ナイス!

「あなたの苦しみは私の苦しみです。すべてを打ち明けてください」

・いきなり「びゅーてぃふぉ~どり~めぇいかぁとぅ~み~」と歌い出したのには、びっくりした。
 
 

【ストーリー】番組サイトより
 襄(オダギリジョー)の求婚を受け入れた八重(綾瀬はるか)。しかし槇村(嶋政宏)は、キリスト教徒である襄と婚約した八重を女紅場から解雇しようとする。キリスト教に入信しないことが雇用継続の条件と迫る槇村に、八重は夫の考えを認めて支えていくことを宣言。そして、教え子たちに後ろ髪を引かれながらも八重は女紅場を後にする。
 そのころ、中央政界から離れた西郷(吉川晃司)は、薩摩に戻って学校を開いていた。生徒の大半は、職を失い、日本のありように不満を持つ士族たちで…。
コメント (2)
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