今クール、ベストドラマと思っていた『チェイス~国税査察官』。
第1話では「まあ、おもしろいかなあ」ぐらいの感想でした。
相変わらず木村多江さんは不幸な役どころだなあ。
第2話は、プロ野球中継が延長されたため、前半20分しか見ることができませんでした。ほとんど勝負がついていたのに延長ですよ。そんなわけで、普通ならそこで観るのをやめようと思ったのですが、念のため見てみた第3話で、評価が激変しました。
特に印象に残ったのが、裏の主人公村雲(ARATA演じる「カリブ海の手品師」の異名を持つ脱税のコンサルタント)と資産6000億円の流通業界のドンの檜山正道(中村嘉葎雄)との会話。
正道「僕の資産はお国に差し上げます。ドブに捨てるんや思て、税金払いますわ」
村雲「払わずにすむ方法があるとしてでもですか」
正道「うまい方法があるんか」
村雲「例えば、例えば海外に退避させます。ご協力いただければ、いくつかの租税回避スキームを組み合わせることで」
後の言葉を濁し、正道を見つめその反応を見極めようとする。
しばらくまじまじと村雲の顔を観ておもむろに
正道「あんさん、お金好きですか?」
と村雲に問いかける。
無言の村雲に
正道「ほなぁ、こう聞きましょうか。お金は綺麗なもんでっか?汚いもんでっか?」
村雲「触ると手が汚れるものだと思います」
正道「そやぁ、お金が入って汚れはる人もおるし、手を汚してお金入る人もいたはる」
(即座に)村雲「息子さんの手は汚しません。私が汚します」
その答えに、感心したような馬鹿にしたような表情で
正道「ほおぅ、おもろいコト言いはるなぁ、村雲はん……あぁ、それは蛇の道や。人にあらずの蛇が通る道や。何を好んで、そないな道を通らはる?」
正道を刺すな視線で見つめ、
村雲「はじめから、この道しかありませんでした」
視線を落とし
正道「怖い人やなぁ」
と呟く。
いやあ、見ごたえのあるシーンでした。
(実はこの二人にはもっと深い因縁があって、第4話、第5話で明らかになります)
とにかく、この会話で私は一気に引き込まれました。
第2話は後半見ていないので、なんとも言えませんが、第3話、第4話、第5話と、主人公の査察官・春馬(江口洋介)、その娘(水野絵梨奈)、村雲、桧山親子、村雲の彼女?(麻生久美子)、春馬の上司(益岡徹)などの人生が絡みあっていきます。
会話と言えば、第5話の春馬親子。
【それまでの背景】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仕事に追われ、家庭を顧みない、いえ、顧みるが家庭まで手が回らない春馬。そんな状況に、娘は父に「さびしい思いをしている母(木村多江)に優しくしてあげて」と訴える。
その思いに応えようと、春馬は夫婦で海外旅行を計画する。ところが、突発的な事態が発生し、春馬は行けず、妻だけが出発する。
妻が乗った旅客機が墜落、帰らぬ人となってしまう。娘は父を憎しみを抱くようになる。
その後、村雲が春馬親子に接近し、春馬からは査察の情報を得るのと同時に春馬の生き方を破壊しようとし、娘にはマネーゲームに誘い込む。娘は高校を退学し、母の保険金に手を出し、株式に投入。一瞬で大金を儲ける魅力に取り込まれ、家を出て行く。
そんな中、偶然か故意か、村雨の檜山相続税脱税スキームに巻き込まれ、一夜にして3000万の損を被ってしまう。
春馬は、悲しみ・後悔に打ちひしがれる娘を旅に連れ出す。
(視聴できなかった第2話の後半で、父娘の関係がこじれていくさまが描かれていたと思います)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
旅の宿で床に付いた春馬と娘。
春馬「お前と話したいことがあるんだ………また今度にしよ」
娘 「私もあるよ。父さんと話したいことが……多分、お父さんと同じな気がする」
春馬「お母さんの話か」
娘 「うん。……お父さんと、お母さんの話がしたい」
春馬「そうだな。お父さんも鈴子と、お母さんの話がしたい」
娘 「お母さん、飛行機落ちる時、何考えてたかなぁ……怖かったかなぁ。淋しかったかなぁ。…………家に帰りたかったかなぁ……。あれ以来、毎日ずっとそのことばかり…そのことばかり…………」
涙にくれる娘。
春馬がゆっくり手を伸ばし、娘の手を握ると、娘も両手で握り返す。
翌日、観光地で
春馬「たぶん、たぶん、お母さん。飛行機の中でこう思ってたんだと思う。鈴子が一緒でなくてよかったって」
娘 「お父さんが一緒じゃなくってよかった」
春馬「たぶんな」
個人的には、木村多江さんの優しい顔が浮かび、「ああ、きっとそういうだろうな」としみじみしました。仲直りできてよかったです。
しかし、話全体を通して見ると、母の不遇な死に娘が心を失い父を憎むのは分かりますが、父への心の修復が、マネーゲームの失敗だけというのが、短絡的過ぎます。
父の母へのやさしさや思いを知るエピソード(父が涙を流すシーンを偶然見てしまうとか、生前の母の日記を見て、母は幸せだったと知るなど)が欲しかったです。
そうでないと、この娘、単なる自己中心女としか見えません。
春馬父娘に限らず、第5話はなんとなくご都合主義や独りよがりな展開が多かったです。
次回はいよいよ終結するのですが、第5話の脚本のよろめき具合を考えると、ちゃんと収束するか、少し不安になってきました。
それとも、さらにもう一段深い真相が明かされるのかもしれません。
第1話では「まあ、おもしろいかなあ」ぐらいの感想でした。
相変わらず木村多江さんは不幸な役どころだなあ。
第2話は、プロ野球中継が延長されたため、前半20分しか見ることができませんでした。ほとんど勝負がついていたのに延長ですよ。そんなわけで、普通ならそこで観るのをやめようと思ったのですが、念のため見てみた第3話で、評価が激変しました。
特に印象に残ったのが、裏の主人公村雲(ARATA演じる「カリブ海の手品師」の異名を持つ脱税のコンサルタント)と資産6000億円の流通業界のドンの檜山正道(中村嘉葎雄)との会話。
正道「僕の資産はお国に差し上げます。ドブに捨てるんや思て、税金払いますわ」
村雲「払わずにすむ方法があるとしてでもですか」
正道「うまい方法があるんか」
村雲「例えば、例えば海外に退避させます。ご協力いただければ、いくつかの租税回避スキームを組み合わせることで」
後の言葉を濁し、正道を見つめその反応を見極めようとする。
しばらくまじまじと村雲の顔を観ておもむろに
正道「あんさん、お金好きですか?」
と村雲に問いかける。
無言の村雲に
正道「ほなぁ、こう聞きましょうか。お金は綺麗なもんでっか?汚いもんでっか?」
村雲「触ると手が汚れるものだと思います」
正道「そやぁ、お金が入って汚れはる人もおるし、手を汚してお金入る人もいたはる」
(即座に)村雲「息子さんの手は汚しません。私が汚します」
その答えに、感心したような馬鹿にしたような表情で
正道「ほおぅ、おもろいコト言いはるなぁ、村雲はん……あぁ、それは蛇の道や。人にあらずの蛇が通る道や。何を好んで、そないな道を通らはる?」
正道を刺すな視線で見つめ、
村雲「はじめから、この道しかありませんでした」
視線を落とし
正道「怖い人やなぁ」
と呟く。
いやあ、見ごたえのあるシーンでした。
(実はこの二人にはもっと深い因縁があって、第4話、第5話で明らかになります)
とにかく、この会話で私は一気に引き込まれました。
第2話は後半見ていないので、なんとも言えませんが、第3話、第4話、第5話と、主人公の査察官・春馬(江口洋介)、その娘(水野絵梨奈)、村雲、桧山親子、村雲の彼女?(麻生久美子)、春馬の上司(益岡徹)などの人生が絡みあっていきます。
会話と言えば、第5話の春馬親子。
【それまでの背景】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仕事に追われ、家庭を顧みない、いえ、顧みるが家庭まで手が回らない春馬。そんな状況に、娘は父に「さびしい思いをしている母(木村多江)に優しくしてあげて」と訴える。
その思いに応えようと、春馬は夫婦で海外旅行を計画する。ところが、突発的な事態が発生し、春馬は行けず、妻だけが出発する。
妻が乗った旅客機が墜落、帰らぬ人となってしまう。娘は父を憎しみを抱くようになる。
その後、村雲が春馬親子に接近し、春馬からは査察の情報を得るのと同時に春馬の生き方を破壊しようとし、娘にはマネーゲームに誘い込む。娘は高校を退学し、母の保険金に手を出し、株式に投入。一瞬で大金を儲ける魅力に取り込まれ、家を出て行く。
そんな中、偶然か故意か、村雨の檜山相続税脱税スキームに巻き込まれ、一夜にして3000万の損を被ってしまう。
春馬は、悲しみ・後悔に打ちひしがれる娘を旅に連れ出す。
(視聴できなかった第2話の後半で、父娘の関係がこじれていくさまが描かれていたと思います)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
旅の宿で床に付いた春馬と娘。
春馬「お前と話したいことがあるんだ………また今度にしよ」
娘 「私もあるよ。父さんと話したいことが……多分、お父さんと同じな気がする」
春馬「お母さんの話か」
娘 「うん。……お父さんと、お母さんの話がしたい」
春馬「そうだな。お父さんも鈴子と、お母さんの話がしたい」
娘 「お母さん、飛行機落ちる時、何考えてたかなぁ……怖かったかなぁ。淋しかったかなぁ。…………家に帰りたかったかなぁ……。あれ以来、毎日ずっとそのことばかり…そのことばかり…………」
涙にくれる娘。
春馬がゆっくり手を伸ばし、娘の手を握ると、娘も両手で握り返す。
翌日、観光地で
春馬「たぶん、たぶん、お母さん。飛行機の中でこう思ってたんだと思う。鈴子が一緒でなくてよかったって」
娘 「お父さんが一緒じゃなくってよかった」
春馬「たぶんな」
個人的には、木村多江さんの優しい顔が浮かび、「ああ、きっとそういうだろうな」としみじみしました。仲直りできてよかったです。
しかし、話全体を通して見ると、母の不遇な死に娘が心を失い父を憎むのは分かりますが、父への心の修復が、マネーゲームの失敗だけというのが、短絡的過ぎます。
父の母へのやさしさや思いを知るエピソード(父が涙を流すシーンを偶然見てしまうとか、生前の母の日記を見て、母は幸せだったと知るなど)が欲しかったです。
そうでないと、この娘、単なる自己中心女としか見えません。
春馬父娘に限らず、第5話はなんとなくご都合主義や独りよがりな展開が多かったです。
次回はいよいよ終結するのですが、第5話の脚本のよろめき具合を考えると、ちゃんと収束するか、少し不安になってきました。
それとも、さらにもう一段深い真相が明かされるのかもしれません。
そうそう、深いセリフのやり取りなど、引き込まれます。
ところどころ、変なところ(第5話では、とても買い物に行くようには見えなかったですよね。不審に思う余裕がないほど檜山息子は動揺していたとも)はありますが。
>キャラクターのブレ
ああ、そうか、しっくりこなかったのは、そこだったんですね。
エンディングテーマは秀逸ですね。
最終話は、不安でもあり楽しみでもあります。
このドラマ、私もかなり魅かれるものを感じつつ見ております。
ただ、所々でグッとくる場面や台詞があるのですが、繋ぎが適当に感じられるところがあって、それが残念です。
それと登場人物のキャラクターのブレが感じられるのも。
とは言え、このどこか昭和なテイストを感じさせるドラマをかなり楽しんでおります。
菊地成孔さんのドラマの中で流れる曲も、エンディングテーマにもシビれてます(笑
あと一時間でちゃんと終れるのか、心配ですが
もしかしたら、でっかい打ち上げ花火的なものがあるかもしれないと期待もしています。