まず、前記事の復習から
この14図よりBSの速報生中継が始まり、▲5三歩成△同玉▲6五銀△同桂▲5四銀△同飛▲同馬△同玉と進んだところで放送時間が終了。
たった10分間だったが、勝負のもっとも濃密な10分間だった。(詳しくはその5をご参照ください)
その後、▲5五歩△5三玉▲5四飛△4二玉と進む。
▲5五歩に△同玉や△6四玉は詰む。また▲5四飛に4二ではなく6二に逃げると▲9五角以下詰んでしまう(5四の飛車筋が左翼に通っているので)。
△4二玉に▲1五角(第15図)。
これに対し△3三銀と銀を合駒すれば詰まない。
「△3三香などは▲3四桂△3二玉▲2二金△4一玉▲3一金で詰む。2二に利かすために△3三銀が正解となる」(中継サイト解説)
△3三銀以下、▲3四桂△3二玉▲2二金に△同銀と取れ、▲同桂成△同玉▲3三銀△2三玉▲2四銀成△3二玉▲3三成銀△4一玉できわどく詰まない。
そして、この△3三銀の局面で、もし4四の桂がなかったら飛車筋が通っているため、▲3三角成△同玉▲2四銀以下詰んでしまう。
ともかく第15図の▲1五角に△3三銀で羽生名人の勝ちになりそうとネット中継を見ていると△3三角。
「えっ!」(たぶん、声を発した)
銀ではなく角?……確かに2二に利いている。頭の丸い角の方が渡したとき安全なのかな?…
でも角はやはり強力だから…
羽生名人は△3三銀合は詰みだと錯覚していた。最後の△4一玉が見えなかったらしい。
負けを覚悟して△3三角と打ったとのこと。
確かに銀合の変化のように進めば問題はない。しかし、△3三角に▲5一飛成△同玉▲3三角成とされたとき、盤上の3三の馬プラス角金金桂歩の豊富な持ち駒。危険だ。
実際、▲3三角成まで進み、この手に△4二香だと▲同馬△同玉▲5四桂△3三玉▲4二角で詰む。やはり角を渡したのは大きい。また▲3三角成に△6二玉も詰んでしまう。
よって△6一玉と逃げる(第16図)。
(この辺りの変化は中継サイトの受け売りなので、変化を詳細に書くのは気が引けるので簡単に)
……第16図、後手玉に詰みはない。
ここで▲8三角△7二歩▲4三馬△5二香▲7三桂△6二玉▲4四馬以下手順に後手の拠り所である2枚の桂を排除しながら迫れるので先手の勝ちだそうです。
最初の▲8三角に△7二銀は▲6二金!△同玉▲5四桂△7三玉以下詰む。本譜は▲4三馬△5二香(第17図)を入れたため、
▲8三角に△7二銀▲6二金△同玉と同様に進めると▲5四桂に△同香と取られてしまうそうです。
しかし、△7二銀に▲7三桂△7一玉▲8一金△6二玉▲4四馬△5三銀▲5四桂△5一玉▲6一桂成△4一玉▲6五角成と、2枚の桂を外しておけば先手勝ちだそうです。
と、これを読むと三浦八段が勝ちを逃がしていると感じるはずだ。実際そうだが、2日間頭脳をフル稼働し続けた上、1分将棋。しかも、勝ちがチラつき、詰みもありそう。
上記の変化にしても「!」をつけた▲6二金などなかなか見えないし、▲4三馬や▲8三角の順番、また▲7三桂も見える。
そういった状況で三浦八段が袋小路に入ってしまったのは仕方がないことなのだろう。
ただ、渡辺竜王や深浦王位が同じ状況下で第16図を迎えたとしたら、チャンスを逃がさなかったのではないか、詰みよりも勝ち(2枚の桂を外す)を優先させたのではないだろうか。三浦八段は純粋すぎたのだ。
この14図よりBSの速報生中継が始まり、▲5三歩成△同玉▲6五銀△同桂▲5四銀△同飛▲同馬△同玉と進んだところで放送時間が終了。
たった10分間だったが、勝負のもっとも濃密な10分間だった。(詳しくはその5をご参照ください)
その後、▲5五歩△5三玉▲5四飛△4二玉と進む。
▲5五歩に△同玉や△6四玉は詰む。また▲5四飛に4二ではなく6二に逃げると▲9五角以下詰んでしまう(5四の飛車筋が左翼に通っているので)。
△4二玉に▲1五角(第15図)。
これに対し△3三銀と銀を合駒すれば詰まない。
「△3三香などは▲3四桂△3二玉▲2二金△4一玉▲3一金で詰む。2二に利かすために△3三銀が正解となる」(中継サイト解説)
△3三銀以下、▲3四桂△3二玉▲2二金に△同銀と取れ、▲同桂成△同玉▲3三銀△2三玉▲2四銀成△3二玉▲3三成銀△4一玉できわどく詰まない。
そして、この△3三銀の局面で、もし4四の桂がなかったら飛車筋が通っているため、▲3三角成△同玉▲2四銀以下詰んでしまう。
ともかく第15図の▲1五角に△3三銀で羽生名人の勝ちになりそうとネット中継を見ていると△3三角。
「えっ!」(たぶん、声を発した)
銀ではなく角?……確かに2二に利いている。頭の丸い角の方が渡したとき安全なのかな?…
でも角はやはり強力だから…
羽生名人は△3三銀合は詰みだと錯覚していた。最後の△4一玉が見えなかったらしい。
負けを覚悟して△3三角と打ったとのこと。
確かに銀合の変化のように進めば問題はない。しかし、△3三角に▲5一飛成△同玉▲3三角成とされたとき、盤上の3三の馬プラス角金金桂歩の豊富な持ち駒。危険だ。
実際、▲3三角成まで進み、この手に△4二香だと▲同馬△同玉▲5四桂△3三玉▲4二角で詰む。やはり角を渡したのは大きい。また▲3三角成に△6二玉も詰んでしまう。
よって△6一玉と逃げる(第16図)。
(この辺りの変化は中継サイトの受け売りなので、変化を詳細に書くのは気が引けるので簡単に)
……第16図、後手玉に詰みはない。
ここで▲8三角△7二歩▲4三馬△5二香▲7三桂△6二玉▲4四馬以下手順に後手の拠り所である2枚の桂を排除しながら迫れるので先手の勝ちだそうです。
最初の▲8三角に△7二銀は▲6二金!△同玉▲5四桂△7三玉以下詰む。本譜は▲4三馬△5二香(第17図)を入れたため、
▲8三角に△7二銀▲6二金△同玉と同様に進めると▲5四桂に△同香と取られてしまうそうです。
しかし、△7二銀に▲7三桂△7一玉▲8一金△6二玉▲4四馬△5三銀▲5四桂△5一玉▲6一桂成△4一玉▲6五角成と、2枚の桂を外しておけば先手勝ちだそうです。
と、これを読むと三浦八段が勝ちを逃がしていると感じるはずだ。実際そうだが、2日間頭脳をフル稼働し続けた上、1分将棋。しかも、勝ちがチラつき、詰みもありそう。
上記の変化にしても「!」をつけた▲6二金などなかなか見えないし、▲4三馬や▲8三角の順番、また▲7三桂も見える。
そういった状況で三浦八段が袋小路に入ってしまったのは仕方がないことなのだろう。
ただ、渡辺竜王や深浦王位が同じ状況下で第16図を迎えたとしたら、チャンスを逃がさなかったのではないか、詰みよりも勝ち(2枚の桂を外す)を優先させたのではないだろうか。三浦八段は純粋すぎたのだ。
最終盤は棋譜中継サイトとTwitterで観戦してました。
羽生名人が合い駒を間違った事により、三浦八段にとってはチャンスの残る局面になりました。
詰みがありそうな局面だけに当然一分将棋ということもあるし、詰み手順を一直線に読んでいたんだと想像しました。
あのギリギリの場面でギアチェンジ(桂をはずす順)は厳しかったのではないかと感じました。
観ている立場としてはとても堪能しました。対局者は本当に大変ですね。
ご存知かもしれませんが、第3局の後、三浦八段は気分転換の小旅行に行ったみたいです。以下のHPにあります。参考までに。
「将棋ペンクラブログ 三浦八段のちょっといい話」
http://silva.blogzine.jp/blog/2010/05/post_0d61.html
「団鬼六ブログ 名人戦」
http://oniroku-dan.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-4779.html
今期の名人戦、主役は三浦八段ですね。
映像、中継サイト、ブログなどから、彼の純粋さがビンビン伝わってきます。
本局の最後は、その純粋さが裏目に出た気がします。
ブログご紹介、ありがとうございました。
「三浦八段、がんばれ」と思いましたが、
羽生ファンとしては、やはり、4連勝で防衛していただきたいです。1敗でもすると、悪夢の竜王戦の記憶が甦ります。
確かに、2日間戦っての1分将棋で桂馬を外す順を読みに入れる(ギアチェンジする)のは、かなり酷ですね。
Togoさんがおっしゃった「ギアチェンジ(桂をはずす順)」という表現はうまいですね。
確かに2日間戦ってギアチェンジは難しいですが、あの局面は即詰めより桂2枚外す順の方が簡単ですし、1分将棋なら普通の棋士は桂をはずす順を考えると思います。
三浦八段は純粋すぎましたね。