(「その1」、「その2」、「その3」、「その4」の続き)
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図以下、▲5八金△3七角▲5三歩成△同歩▲6四歩と進み、伊藤は残り20分から2分の消費で△3九飛と打つ。
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しかし、4九に飛車を打つべきだった。▲6八玉とかわした手に対し△4六桂と打つ手が詰めろになるが、3九だと詰めろにならない(中継解説より)。
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図から▲6三歩成とすると、△5八桂成▲同銀△5九角成▲6七玉△5八馬▲同玉△4七銀以下詰み(▲5七玉なら△5六金▲6八玉△6七歩▲同金△4八飛成以下詰み)
実戦は△3九飛▲6八玉△6二金▲6三銀△4六桂と進む。
△6二金▲6三銀の手の交換は、後手玉に対する先手の攻めの距離は同じだが、後手に損な取引になる可能性が強い。特に△3九飛ではなく△4九飛と打った場合、この2手の交換を入れると、△4六桂に▲同銀が有効になる。△3九飛の場合も△4九飛の場合も、▲4六同銀に対して△同角▲5七歩と進むが、この時、△6二金▲6三銀を入れていないと△6四金と手を戻す手が有効だが、△6二金▲6三銀を入れてあるとそれができない。
また、戻って、△4九飛▲6八玉△6二金の時に飛角両取りの▲3八銀と打つ手も生じてしまう。伊藤女流三段はこの両取りを警戒して飛車を3九から打ったのかもしれない。それと、△6二金▲6三銀の手の交換をしておけば、銀の質駒ができると考えたのかもしれない(ただし、△6三金と銀を取った時、▲7二金と捨て△同玉に▲6三歩成から詰まされてしまう可能性もある)
実戦の△4六桂は詰めろではないので、里見四冠は▲6二銀成と踏み込む。
先手玉はかなり危険に見えるが大丈夫だろうか?上記で伊藤女流三段が3九から飛車を打った理由を推測したが、そうではなく、ここで先手に詰みありと読んでいたのかもしれない。(少し前の△6二金に残り18分から10分使っていたので、この時に不詰めを悟ったのかも)
▲6二銀成に△5八桂成▲同銀△5九飛成▲6七玉△5六金▲同玉△6八龍に▲5七桂と合駒をしたのが正確。
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▲5七歩合いだと△5五角成▲同玉△5四銀▲4四玉△4七龍から詰むが、本譜は▲5七桂の効果で▲4五歩と打つことができる。
実戦は△5五角成▲同玉に△5四銀とせず△5七龍と桂を取り、▲5六銀△5四銀▲4四玉まで追ったところで、△7一銀と受けたが、里見四冠は▲7二金△同銀▲同成銀△同玉▲6三銀△8二玉▲8三金△同玉▲7二角と詰ました。
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本局は、虚々実々の駆け引きから始まった本局、里見四冠が間合いを計り巧みに捌いてリードし、さらに、優位を拡大していったが、伊藤女流四段も息をひそめてチャンスを伺い、端攻めに勝負をかけた。
それが功を奏して、難解な局面に持ち込んだ。流れが悪くなった里見四冠、2手連続辛抱し踏みとどまる。チャンス到来の伊藤女流四段だったが、飛車の打ち場所を1筋誤ったのが痛恨で、里見女流四冠が女流王座の挑戦権を掴んだ。
飛車を4九に打っていたら、勝負の行方は分からなかったが、中継の解説では「△4九飛と打っていたら、▲6八玉には△4六桂が詰めろになるが、△3九飛だと△4六桂が詰めろにならない」とは記されていたが、△4九飛と打った場合の形勢やその後の展開などは書かれていない。(いろいろ不満の残る解説だった)
私なりに検討してみたが、後手は△6二金と引かずに△4九飛~△4六桂(変化図2)とするのが最善のようだが、
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図より▲4八歩と受ければ先手が有利のようだ。ただし、勝負の行方は不明だろう。
伊藤女流三段も柔軟で力強い将棋で「西山ー伊藤」戦も観たいが、やはり「里見ー西山」戦は非常に面白そうだ。開幕が楽しみである。
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図以下、▲5八金△3七角▲5三歩成△同歩▲6四歩と進み、伊藤は残り20分から2分の消費で△3九飛と打つ。
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しかし、4九に飛車を打つべきだった。▲6八玉とかわした手に対し△4六桂と打つ手が詰めろになるが、3九だと詰めろにならない(中継解説より)。
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図から▲6三歩成とすると、△5八桂成▲同銀△5九角成▲6七玉△5八馬▲同玉△4七銀以下詰み(▲5七玉なら△5六金▲6八玉△6七歩▲同金△4八飛成以下詰み)
実戦は△3九飛▲6八玉△6二金▲6三銀△4六桂と進む。
△6二金▲6三銀の手の交換は、後手玉に対する先手の攻めの距離は同じだが、後手に損な取引になる可能性が強い。特に△3九飛ではなく△4九飛と打った場合、この2手の交換を入れると、△4六桂に▲同銀が有効になる。△3九飛の場合も△4九飛の場合も、▲4六同銀に対して△同角▲5七歩と進むが、この時、△6二金▲6三銀を入れていないと△6四金と手を戻す手が有効だが、△6二金▲6三銀を入れてあるとそれができない。
また、戻って、△4九飛▲6八玉△6二金の時に飛角両取りの▲3八銀と打つ手も生じてしまう。伊藤女流三段はこの両取りを警戒して飛車を3九から打ったのかもしれない。それと、△6二金▲6三銀の手の交換をしておけば、銀の質駒ができると考えたのかもしれない(ただし、△6三金と銀を取った時、▲7二金と捨て△同玉に▲6三歩成から詰まされてしまう可能性もある)
実戦の△4六桂は詰めろではないので、里見四冠は▲6二銀成と踏み込む。
先手玉はかなり危険に見えるが大丈夫だろうか?上記で伊藤女流三段が3九から飛車を打った理由を推測したが、そうではなく、ここで先手に詰みありと読んでいたのかもしれない。(少し前の△6二金に残り18分から10分使っていたので、この時に不詰めを悟ったのかも)
▲6二銀成に△5八桂成▲同銀△5九飛成▲6七玉△5六金▲同玉△6八龍に▲5七桂と合駒をしたのが正確。
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▲5七歩合いだと△5五角成▲同玉△5四銀▲4四玉△4七龍から詰むが、本譜は▲5七桂の効果で▲4五歩と打つことができる。
実戦は△5五角成▲同玉に△5四銀とせず△5七龍と桂を取り、▲5六銀△5四銀▲4四玉まで追ったところで、△7一銀と受けたが、里見四冠は▲7二金△同銀▲同成銀△同玉▲6三銀△8二玉▲8三金△同玉▲7二角と詰ました。
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本局は、虚々実々の駆け引きから始まった本局、里見四冠が間合いを計り巧みに捌いてリードし、さらに、優位を拡大していったが、伊藤女流四段も息をひそめてチャンスを伺い、端攻めに勝負をかけた。
それが功を奏して、難解な局面に持ち込んだ。流れが悪くなった里見四冠、2手連続辛抱し踏みとどまる。チャンス到来の伊藤女流四段だったが、飛車の打ち場所を1筋誤ったのが痛恨で、里見女流四冠が女流王座の挑戦権を掴んだ。
飛車を4九に打っていたら、勝負の行方は分からなかったが、中継の解説では「△4九飛と打っていたら、▲6八玉には△4六桂が詰めろになるが、△3九飛だと△4六桂が詰めろにならない」とは記されていたが、△4九飛と打った場合の形勢やその後の展開などは書かれていない。(いろいろ不満の残る解説だった)
私なりに検討してみたが、後手は△6二金と引かずに△4九飛~△4六桂(変化図2)とするのが最善のようだが、
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図より▲4八歩と受ければ先手が有利のようだ。ただし、勝負の行方は不明だろう。
伊藤女流三段も柔軟で力強い将棋で「西山ー伊藤」戦も観たいが、やはり「里見ー西山」戦は非常に面白そうだ。開幕が楽しみである。
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