英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ワールドカップバレー2011 女子結果・感想

2011-11-22 17:11:18 | スポーツ
 序盤1勝2敗、特に勝てた試合の中国戦の敗北が痛く、どうなることかと思いましたが、後半盛り返し、メダル争いに絡んだのは大健闘でした。
 個々の選手もほぼベストパフォーマンスを見せました。木村は大車輪の活躍で、彼女抜きでは全日本は成り立ちません。それと、センターの岩坂の成長も大きかったです。セッターの竹下の見事なトス捌き&レシーブ、守護神リベロ佐野の好レシーブ、荒木のガッツあるプレー、そして何と言っても救世主的活躍の江端。昨年の世界選手権でも感じましたが、彼女らは戦いながら成長していくようです。
 あと、眞鍋監督の柔軟な選手起用(初戦の山口のセンター起用は除く)も、見逃すことは出来ません。ほんと、あと一歩でした。

 優勝はイタリア。アメリカ、ブラジルよりやや劣ると思っていましたが、ゲーム(セット)の流れを掴むのが上手く、着実に試合をモノにしていき、見事な連覇です。試合順にも恵まれた気がします。
 2位アメリカは、今大会の実力としては最上位だと思いました。ただ、一つリズムが狂うと立ち直るのが苦手なようです。ドイツ、日本にストレート負けは意外で、痛かったです。
 3位中国は、最近の成績からすると躍進と言えます。もともと強いチームですから3位ぐらいは当たり前ですが、なんと言っても日本戦をモノにしたのが大きかったです。ここを落としていたら、崩れていた可能性もありました。
 4位日本は、後半は見事な戦いでした。ブラジル、ドイツ、アメリカを撃破したのは凄いです。前半をもっと頑張ればという思いもありますが、日本が成長し強くなったと考えられるので、前半戦だと負けていたような気もします。
 日本開催で、会場の声援の後押しと、11試合の長丁場なのでコンディション調整の利があるのは大きかったかもしれません。
 5位ブラジルは意外な結果でした。調子が良くなかったのもありますが、不運も大きかったです。初戦でアメリカと当たって競り負け、出鼻をくじかれた上、何とか接戦をものにしても、3-2なので勝ち点を稼げず、勝数は多いのに順位が下というモチベーションも低下してしまいました。
 フルセットの連戦の疲れと、モチベーションの低下が重なったところで、イタリア戦。第1セット23-25で落とすと、ずるずるストレート負けを喫し、更に戦意を減少。
 6位ドイツは、前半戦アメリカをストレートで倒すなど快調でした。アメリカ、ブラジル戦を終えての4勝1敗はメダルも有力だったはずです。
 ドミニカ共和国に敗れたのがつまずきの初めですが、最終(第4)ラウンド初戦のイタリア戦、フルセットの熱戦で敗れたのが大きく、その痛手(体力、精神)を負いながら、日本戦(日本の直前はケニア戦)。これに再び競り負け、最終戦の中国戦は余力が残っていませんでした。日本以上に惜しい5位かもしれません。
 7位セルビアは4戦目(ドイツ)、5戦目(ブラジル)でフルセットで連敗したのが大きかったです。競ったセット、競った試合が弱いように感じます。ストレートで勝った日本戦が強かった印象からきているのかもしれません。

順位 国名   勝ち点 勝 負 得セット 失セット セット率
1 イタリア     28  10  1  31    8    3.875
2 アメリカ     26   9  2  27    10    2.700
3 中国       26  8  3  30    13    2.308
4 日本       24  8  3  27    11    2.455
5 ブラジル     21  8  3  25    16    1.563
6 ドイツ        20  6  5  25    17    1.471
7 セルビア     16  5  6  22    19   1.158
8 ドミニカ共和国  12  5  6  17    25   0.680
9 韓国        11  3  8  13    24   0.542
10 アルゼンチン   9  3  8   9    26   0.346
11 アルジェリア   3  1  10   4    31   0.545
12 ケニア        0  0  11   3    33   0.091


 『~理解し難い大会方式~』(11月6日記事)でも述べましたが、今大会の大会形式に2つの問題点を感じています。
 ひとつは、12チーム総当たり戦。準決勝・決勝戦がないので、終わってみて、○○-○○戦が決定戦だったんだなあというような盛り上がりに欠ける大会となります。それを避けるには、大相撲のように、ランクが高いチームの対戦は出来るだけ後に回すなどの工夫が必要だと思います。
 ブラジル-アメリカ戦が初日なんて最悪です。幸いにもアメリカ-イタリア戦が10戦目で、大会的には救われました。
 そしてもう一つは3-2-1のポイント制。3-0、3-1で勝てば3点、負けチームは0点。3-2の場合は、勝ったチームの勝ち点は2、負けたチームにも1点あたるという変則ルールです。詳しくは11月6日記事で述べましたが、2勝1敗でも3勝0敗のチームの上位になる可能性があるというのは変です。今大会は結果的には勝数と勝ち点の逆転現象は起こりませんでしたが、途中では逆転現象が起こっていました。
 ところで、以前は勝数が同じ場合はセット率を比べて順位を決めていました(最近はなぜか得点率を優先…これも変です)。このセット率を重視するなら、日本は中国を上回り3位でした。いったい、どこの発案なのでしょうか?国際バレーボール(FIVB)?FIVBワールドカップバレーボール2011組織委員会?公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)?それとも、フジテレビ?

【参考】
「ワールドカップバレー2011 前半戦終了」(11月10日)
「ワールドカップバレー ~理解し難い大会方式~」(11月6日)
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『南極大陸』 第6話

2011-11-21 13:57:20 | ドラマ・映画
 先週、そそくさとボツンヌーテン登頂を済ませ、帰路の遭難イベントまで進め、絶体絶命の場面で今週に持ち込ませました。
 個人的には、先週までの「キムタクドラマ」に視聴脱落を決めかけていて、今週を観てから「離脱宣言」しようと思っていました。
 ところが、日本シリーズの長いこと、長いこと。最終回に入って、救援投手の負傷交代など、リリーフ一人一殺(アウト)態勢のフル稼働。おかげで、一時間以上も野球中継が延長。その影響で、『イ・サン』(韓国の時代大河ドラマ)を観るのを忘れてしまいました。普通は録画予約しておくのですが、それも忘れました。
 正直、この『イ・サン』の方が10倍以上面白いです。『脱落宣言』で簡単に済ませてしまうのでは、『イ・サン』を見忘れた意義?がなくなってしまうので、テンションが下がっていますが、今週もレビューを書きます。

 絶体絶命状態でしたが、犬たちが救助隊を連れてくるのは多くの方が予想していたと思います。問題は、氷室(堺雅人)、あるいは犬塚(山本裕典)が絶命するまでに間に合うかどうかが焦点です。
 顔面蒼白の彼らですが、基地のメンバーは食糧切れを心配していたので、凍死よりは衰弱死寸前と言うことなのでしょうか?≪犬の餌はあるようなので、それ食えないのかなあ、あ、生肉はだめか……でも、トリミングすれば厚生労働省もOKを出すかも…≫など、感動ドラマを観るには不埒(ふらち)なことを考えていました。
 それに、犬の食糧を人間の分よりたくさん持っていくなんて、なんて無計画、いえ、優しい人たちなんでしょう。

 と、海を背景に、雪上車を引きつれ、犬たちが駆けて来ます。感動のシーンですが、≪こんなに海のそばに居たんだ≫と変なことに感心してしまいました。
 そもそも、このドラマ、オングル島を地図上で示した場面以外、南極大陸の地図(全図)が出てこないので、基地が海からどのくらい離れているのか、ボツンヌーテンがどのくらいの位置にあるのかなどが、さっぱり分かりません。(ボツンヌーテンは基地から南方に200kmらしいですが)今週後半の話にしても、宗谷(接岸地点)から基地までどのくらいの距離があるかが大きなポイントだと思うのですが。

 犬の吠える声で、倉持(木村拓哉)が鯨小屋から顔を出し、救援の到来を察知し、ふたりを呼び起こします。救われたことを知り、氷室は嫌いなタイプのはずの鮫島(寺島進)に心から礼を述べます。さらに、「犬なんか」と言っていたのに犬たちにもハグします。さすがの鉄面皮も、飢えと寒さで剥がれてしまったのかもしれません。心の奥では、キムタクのような素直な感情表現を取りたかったのでしょう。過去のトラウマもなくなったようですし。
 ところで、隊員たちの精神力には感心します。あれだけ虫の息だったのに、救援が来たとたん、暖も食も取らないのに、血色も良くなり回復してしまいました。そう言えば、雪上車がガス欠で立ち往生になって死の淵まで行っていたはずの鮫島たちも、犬ぞりで応援が来たとたん、元気になり、基地の補強作業をしていました。すごい精神力です。「病は気から」という言葉も思い浮かびますが……

 越冬隊メインイベントのボツンヌーテン登頂も終え、厳冬期も明け、宗谷が日本を出発したことを知り、越冬終了が見えてきました。「俺たちは、よく頑張ったぞ~」っと雄叫びを上げるのですが、私の目が節穴なのか、頑張ったようには感じませんでした。
 何しろ、先週、ボツンヌーテン登頂に挑む前にナレーションの「6ヶ月経った」で厳冬期はほぼ済んでしまったし(今週の「厳冬期は終わった」というナレーションであっけなく終わったと思われがちですが、実際は先週一気に6カ月端折りました)、そのほかのエピソードも、倉持の活躍しか目立ちませんでした。

 クリスマス&横峰(吉沢悠)の双子の子供の誕生会&慰労会時に、星野(香川照之)が労いの言葉と使い回しの映像シーンで、頑張った雰囲気を出していましたが、締めの言葉を副隊長の倉持に譲ったことで、≪ここでも、彼なのか≫と心が揺さぶられました。

 さて、今回のメーンのひとつである「タロジロ物語」の序章が始まりました。
 荒天なのにセスナの離着陸が出来るのが非常に不思議でした。いろいろ輸送や移動が困難だったようですが、宗谷の船内と昭和基地とのやり取りだけなので、両者の距離や天候状況が良く分からず、≪ゴタゴタやってるなあ≫としか思えませんでした。
 頭の固い第2次越冬隊隊長岩城(宮沢和史)が無駄に意志の強さを発揮します。白崎観測隊隊長(柴田恭兵)より偉そうです。こういうやつには、初めから上下関係をはっきりさせておくべきでした。強い者には忠実に従うタイプです。(犬と人の命を同列に置かないのは、通常の反応だとは思いますが)
 こういう融通の利かない者が隊長になって隊員が危険です。第2次越冬を断念したのは不幸中の幸いかもしれません。と言っても、第2次越冬隊のメンバーが見当たりません。この隊長にはついていけないと、とうに離脱していたのでしょうか?
 とにかく、撮れるシーンが限られて、シーンありきのストーリーになってしまうのはある程度は仕方ないのかなと思います。しかし、状況設定の甘さが多く、その上、キムタクありきの脚本で、越冬隊の物語には思えません。(その上、タロジロ物語を重ね、綾瀬はるかも挿入するものだから……)
 主人公・倉持のように強い意志を持って、視聴離脱することにします。
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『相棒 Season 10』 第5話 「消えた女」

2011-11-19 18:46:19 | ドラマ・映画
 今回は、劇場版1に登場した守村やよい(本仮屋ユイカ)が再登場。相当悲しい思いをし、寂しい境遇になってしまった彼女だが、強く、しっかり生きているようで、私も嬉しい(笑)。
 その彼女が、奇妙な体験をして、真相を究明するため、特命係を頼ってきたのだ。その奇妙な体験とは、ふとしたことである女性・山原京子(森口彩乃)と関わったが、その女性が消えてしまった。それが、単なる行方不明ではなく、その女性の存在自体がなかったという。彼女の住居にも、社員証の会社にも、彼女の存在を示すものはなかった。

 「奇妙な話」が今回のひとつのテーマだった。『世にも奇妙な物語』を連想させる興味深い展開だった。しかし、派遣会社でコールガールも陰で行い、麻薬にも絡む社長が殺人を犯し、目撃者がそのコールガールで、買春行為をした政治家が絡んだため、会社ぐるみで彼女の存在そのものを消してしまうというのは、かなり無理がある。彼女の存在にかかわる者が多過ぎ、秘密を保持するのは困難であろう。ショッカーのような悪の組織で、構成員(社員)すべてが悪の手先だったら可能かもしれないが。
 現実的に考えるなら、やはり口封じで殺してしまうか、監禁するなら旅行に行ったなどの細工をする方が良いように思う。

 それはともかく、重い話が続いた今シリーズ、真相究明が主の今回のストーリーにはホッとした。それに、劇場版1、亀山時代の登場人物で懐かしさも感じた。(個人的には劇場版1は残念な出来だった)
 さて、今回のもう一つのテーマは、やよいの真実を追求する強い意志。そのせいで彼女自身怪我を負うことになるが、それでも、ひるまないのは先の彼女の信念と、それ以上に、存在不明の女性を心配する彼女の優しさゆえだった。これは、なかなか良かった。
 やよいが心配して、彼女に声を掛け、硬かった彼女の顔が緩み、「ごめんね」と言ったシーンはなかなか良かった。

その他いろいろ
①冒頭、特命係の部屋に謎の女性がいて、「暇か課長」以下、尊君(及川光博)、その他の面々がやけにオドオドしているのが面白かった。ただ、予告や前情報でその女性の正体を私が知ってしまっていたという点。≪その女性が誰なんだろう?≫というワクワク感を感じられなかったのが残念。
②態度が豹変した女・山原京子に、やよいが携帯番号とメールアドレスを教えてしまうのは、うかつというか、ストーリー上、仕方ないとは言え、無理がある。
③やよいが死体を運ぶムービーの添付ファイルを見た時点で、右京達にそれを知らせるのが自然な展開で、そんな肝心なことをあとから告げるというのは、やはり強引なストーリー展開。
④怪しげな会社への右京の探りの入れ方は面白かった。相変わらず、機転が利くなあ。
⑤死体が変形するまで殴ったのは、凶器が特定されないようにするためだったが、絶妙なミスリードだった。
⑥捜査一課トリオと右京さんの絡みは、相変わらず面白い
⑦『相棒』を観ていると、警察上層部は腐りきっているが(今回も簡単に圧力を掛ける)、実際もこうなのかと心配になってしまう。
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ひと月経ちました【11月11日】

2011-11-18 21:37:37 | いちご
 ちょっと日が経ってしまいましたが、11日に診察を受けました。この日はいちごが家に来てから、ちょうど一ヶ月目です。(関係ありませんが、2011年11月11日でした)
 一カ月前の診察の時、「生後一カ月」と診断されたので、この日で生後2カ月と言うことになります。犬や猫は生後2カ月は人間で言うと3歳だそうです。体重は前回11月4日より100g増えて1050g、1kgを超えました。
 前足の麻痺は、若干残っているようですが、普段の生活には支障はないようです。健康状態も良好で、快食快便です。

 将棋を知らない母さんに頂いたおもちゃがお気に入りです。

本来は人が釣竿のようにして操作して遊ばせるのだと思うのですが、ひとりでも遊びます。


徐々に激しくなっていきます。


どたんばたん、暴れます。



「あ~、疲れた」
「ん?撮ってるの?」

おすましポーズです。


うとうと………


……………熟睡


 将棋を知らない母さん、おもちゃ、ありがとうございました。
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『家政婦のミタ』 第6話

2011-11-17 16:47:33 | ドラマ・映画
 ドラマでは、人の死をテーマ、あるいは、題材にすることが多いです。しかし、実際に大切な人をなくした方、重大な病気を抱えている方にとっては、ドラマレビューで私のような者が命や生についてあれこれ書くことは、腹立たしいことと思います。
 私は今まで、ドラマレビューで何やかやと、時には重箱の隅をつつくように、突っ込んできました。ただ、生(死)に関わることには、真剣に書いてきたつもりです。私が殺人の動機にこだわるのはそういった気持からです。
 しかし、フィクションですからガチガチに構えてドラマを観るのも、おかしいと思います。時には客観的に楽しみ、時には主観的に感動したいです。レビューを書く時も、基本的には観る時と同じ姿勢ですが、世間に意見を発信するので、観る時よりも客観性を持たなければならないと思っています。とは言え、あまりなドラマの出来だと、筆が走り過ぎてしまうこともありました。
 自分の書いた文章で、他人が不快になる、傷つくのはダメです。特に、死に関しては真摯になることを心がけたいです。
 最近、私の周辺でとても悲しいことがありました。その方のことを思うと心が痛いです。今週の『家政婦のミタ』では長女が死を選ぼうとしました。いろいろ心に浮かぶことが多い回となりました。


 人が死を選ぶというのは、並大抵のことではありません。大きな悲しみや苦しみなどから、逃げ出そうとしたり、打ちひしがれたりと、ギリギリの状況に追い込まれているのには間違いありません。
 ただ、それだけでは、死を選ぶかというとそうではないような気がします。どんなに苦しくても、この世との繋がりがあれば踏みとどまれるのではないかと。
 繋がりとは、愛する人、生き甲斐、場合によっては復讐心など、生きる意欲が起きるモノで、その大きさの大小はあるものの、通常、複数のモノを持っていると思われます。
 危険なのは、生きる意欲の源がひとつの大きなモノ(多くの場合、子ども、或いは恋人、つれあい)で占められている場合です。それを失った場合、悲しみと同時に生きる意欲も失ってしまいます。
 また、生きる意欲の源が複数あっても、悲しみが大き過ぎたり重なると、一線を越えてしまう場合があるように思います。それが、今回の長女の場合です。

 長女・結の悲しみ・苦しみ
・突然、母が死去
・母を失い、その穴(家事や兄弟の世話)を埋めることが出来ない苛立ち
・母の死は自殺で、その原因が父の不倫だと分かる
さらに今週
・急に養子になれと選択を迫られる
・信じていた先輩(恋人)が、不純だった

 母の死の真相、家のことを充分に出来ないことから、苛立つのは長男と同じ。さらに、そのゴタゴタから恋人に逃げるのは、父親譲り。その上、死を選択するのは母と同じ歩み。
 度重なる苦境から、拠り所は恋人だけ。その恋人に裏切られ、最悪の選択をしてしまった。
 しかし、生きる意欲の源をすべて失ったかというとそうではない。まだ、結には、弟や妹がいた。不本意かもしれないが父やうらら、祖父もいる。あまりに打ちひしがれたので、それらが見えていなかった。

 愛する人がいる喜び。愛されているという幸せ。これらとは少し違うが、人から必要とされていること。これって、意外に嬉しいのではないかと思う。


 今回の騒動で、心の重しが取れ、踊る大捜査線の柳葉さんのような眉間のしわも取れた。あ、こんな柔らかい表情をする娘だったんだなあ。

 相変わらずの恵一
・子どもへの伝言をミタさんに託すことになるが、自信喪失、さらに愛人への未練があり、一家修復の言葉を口にできない。
・先週の愛人の冷たい仕打ちで、踏ん切りがついての土下座だったのかと思ったが、まだ未練タラタラ。さらに、今週、侮蔑の言葉を浴びせられる。長女の自殺騒動で、ふっきれたと思ったが、あのクソ女(愛人のこと。もうこの表現でいいでしょう)から、着信。ああ、ふらふらと愛人の元に走っちゃうんだろうなあ。
 子どもたちに言われてとか、愛人に決別されるのではなく、自らふっ切らないとダメなんだろうなあ

 今週のミタさん(松嶋菜々子)
 まさにホラー映画のジェイソンのよう。正面から襲うのかと思ったら、気配を消して脇にいたり、先回りしたり。
 扉(ふすま)をバーンと打ち倒したり、抵抗する結の投げた箱が顔面に当たっても全くひるまない様はターミネーターのようでもあった。

 あ、ゴルゴ13にもなっていた!(「うしろに立たないでください」)
 それと、録音機能フル稼働で、恵一をいじめていた。

 ジェイソンのように遠まわしに追い詰めるのは、結に死への恐怖(生への執着)を味わわせるためと、家族が戻ってくるまでの時間稼ぎだったのかもしれない。
 さらに、結の「あたしには生きる意味があるのか?死んだ方がましじゃない?」問いに「それは、あなたが幸せだからです。あなたには、この家があります。あなたを愛してくれる家族が、まだいます。もし死んだら、そういう人がどれだけ傷つくか、ご自分でもわかっているはずです」
 これだけ、自分の考えを述べたことは初めて。この時のミタさんは、いつもの無表情ではなく、怖いほど真剣に結を見つめていた。

 今週のミタさんの鞄から出たのは、髪ゴムでした。

 子どもたちは、ミタさんを随分把握してきた。「それは……」で「あなた(あなたたち)が決めることですとか言う気、また」などと先手を打っていた。
 それに、けっこう、ミタさんの核心に迫る問いを投げかける。ミタさんは、少し間をおいて答えるので、観ているこちらもつい、何て答えるのだろうかと、待ってしまっている。
 結と翔が喧嘩している時、希衣が「ミタさん、喧嘩を止めて」と言った時、≪え、どうするんだろう?≫と息を飲んでしまった。(「時間ですので、失礼します」とはぐらかされた)
 

 ドジでウザいだけでなく、不運な、三拍子揃った女でもあった
 先週辺りから、不運な女という一面を発揮し始めたうらら(相武紗季)。よく考えると、最初のころもそういう傾向があったかもしれないが、それはドジのせいと思っていた(クレープか何かを買ってきたが、落としてぐちゃぐちゃになったとか)。
 その分、ウザさが減少。皆がグダグダなので、けっこうまともに見えてしまう。
 今週は、活躍。養子になることを迫る義之(平泉成)を強引に連れ帰ったり、結の自殺を止めたりと。
 義之を連れて帰る際、お互いに怪我の部分を痛め合い、「痛い、痛い、痛い」を連発して退場するシーンは、喜劇かと思った。
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『謎解きはディナーのあとで』 第5話 「アリバイをご所望でございますか」

2011-11-16 21:46:11 | ドラマ・映画
 今回はアリバイがテーマ。
 犯人と目される男・被害者のパートナーの作画担当の江崎建夫(中村俊介)のアリバイが焦点となった。いくつかの証言が江崎のアリバイを完璧なものにしていた。
1隣の住人による被害者・原作担当の菅野由美(マイコ)の目撃証言(9時半)
2出版社の担当者が江崎と一緒にいたという証言(9時~9時半)
3江崎が喫茶店にいたという事実(9時45分~11時)
4犯行現場をランニングした柔道部の証言、10時ごろには遺体がなかった
5被害者住居から犯行現場の距離から所要時間が15分という事実
6現場から走り去る女性用のバッグを持って走り去る男が目撃されていたのが10時半
1~6により犯行時間が9時45分~11時、さらに10時~10時半と絞られ、江崎のアリバイは完璧なものとなっていた。

 という訳で、執事・影山(櫻井翔)の推理だよりになるのだが、影山に聞くのは麗子(北川景子)は過去の苦い思い出がよぎり躊躇する。
 と、このドラマの見せ場である二人のやり取りが展開される。今回は特に冴えていた。

 
「「あほ」だの「節穴」だの「引っこんでろ」など無礼な発言を連発するのではないかと、案じていらっしゃるのですか」
「もう連発しちゃってるし」
「お嬢様の逆鱗に触れること4回。この影山も、多くのことを学びました。もはやお嬢様がお気を悪くすることなど、一切申し上げません」
と言っていましたが……
 
「失礼ですがお嬢様……相変わらずお嬢様はアホでいらっしゃいますね…いい意味で」
「確かにあなたは成長したみたいね。今は「いい意味で」というフォローの言葉を入れるだけ、分別が付いたんですもの。この進歩は称賛に値するかも♪……ふざけんじゃないわよ、この暴言執事が!」
「おや、「いい意味で」はフォローになっておりませんでしたか」
「アホに言意味なんかあるかっつうの」
「どうも日本後は難しい」
「難しくない!」
「無礼の段は、平にお許しを」

 麗子の乗り突っ込みも面白かったし、小馬鹿にしてはへりくだる影山ののらりくらりさも冴えていた。

 で、推理のポイントは

 1は由美が用意した偽装の証言(推測・告白)
 2は江崎が用意した偽装の証言(推測)
 4は絵馬の存在による誤認(推理)
 6の走り去った男は別の男だった
この辺りの整理の仕方は、よかった。

 2は犯人の心理を突いていた。犯人は真の犯行時刻を知っており、その時刻を重要と思い、自ずとその時刻のアリバイを詳細に語ってしまう。
 そのことには同意できるが、あくまでも想像の域。嘘の矛盾を突く推理が欲しかった。

 1の由美が隣人に偽証させた理由を2段階の推理をさせた。
 間違った推理を麗子が推理し得意になっている様を、影山が小馬鹿にするのも面白かった。
「ど~お、私の推理、完璧でしょ。…あ、先に私に謎を解かれて悔しいんでしょう。おいしいところを持ってっちゃって、ごめん遊ばせ」
「失礼ながら、お嬢様。のうのうとくつろぎ、ガバガバと紅茶を飲みながら、これにて一件落着みたいなグダグダな顔をされていますが、本当にそれでよろしいのでございますか」
「影山、もういっぺん言って御覧なさい」
「のうのうとくつろぎ、ガバガバと飲み、グダグダの顔を…」
「本当に2回言わなくていい!」
……傑作でした。


 由美は江崎を殺すため偽証を頼んだのは、江崎を殺すためではなかった。江崎に最終回の絵を描かせるため江崎に自分を殺させることで江崎を追い詰め、最終回を描かせるためだった。その時に江崎が容疑者とならないよう江崎のアリバイを用意したのだった。
 常軌を逸した由美の執念だった。納得しがたいものであるが、由美の作品への愛情と、式が近いことで、まあ、納得することにするが、江崎の行動が理解できない。
 一番不可解なのは、江崎が何故かたくなに最終回の絵を描くことを拒んだのか?理解できない。語られてもいない。二人が決別した理由も語られていない。
 それに、第2の殺人を犯そうとしたのは安直過ぎる。殺人を2回行えば、発覚する可能性は2倍になるはず。第2の殺人で第1の殺人が完全犯罪になったとしても、第2の殺人が発覚する可能性は1回目の殺人より高いはず。両事件に共通する関係者が疑われるから。

今週の風祭警部
・女物のバックを持って走っていく、格好つけた、二枚目風の、優男(やさおとこ)って、
風祭警部だった。朝一番の会話が、繋がっていたとは、不覚にも気づかなかった。
 それにしても、全く自分の行動に自覚がないというか、なんというか……ナイス、ボケ!
・「うまいね。これは新鮮な野菜がたっぷりだね」……冷凍のミックスベジタブルだそうです(笑)
・移動時間の検証。的外れな検証だったが、再度の検証(実際の犯行時間)には、少し感心。
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竜王戦第三局 ~油断?~

2011-11-15 23:21:10 | 将棋
 本記事は『週刊将棋』の記事をベースに書いています。「ベースに書く」と言うと聞こえがいいですが、本当は自力で書くべきです。もちろん、いつも私なりに考えて書いていますが、ネット中継、BS中継、『週刊将棋』などを観たり読んだりしているので、それに影響されます(無意識に、意識的にも)。
 いつもは、先述の3つを満遍なく検証することが多いのですが、今回はBS中継とネット中継はリアルタイムの記憶、印象のみで、『週刊将棋』の記事がメインです。時間の余裕がないこともありますが、記事内容が理路整然としていて、ポイントを押さえて書かれているということも大きな要因です。あ、いつもがそうでない(理路整然でない)という意味ではありません。
 余談になりますが、参考にして記事を書く場合、活字媒体が便利ですね。ネット中継はPCの画面をいちいち切り替えなければならないし、録画は一時停止やリプレイをしなければなりません。
 とにかく、『週刊将棋』の宣伝になるということで、大目に見てください。



 私の見解と週刊将棋の解説と区別するため、私の見解は青色で表記します。
 この将棋、後手の丸山九段が4手目角交換の一手損角換わり戦法に持ち込んだが、序盤の差し手争いが細かかった。特に丸山九段に苦心の指し手(手順)見られ、消費時間も多かった。
 出来るだけ△3二金を上がらず、さらに過去の実戦を改良し△9四歩と▲7七銀を入れずに駒組みを進める苦心の手順だった。

 渡辺竜王は相手の手に対応しながらも、自身の将棋理念に基づきながら指している印象で、第一局と同じ雰囲気だ。


 第2図は、3筋の歩を取り込んだ後、3六に歩を控えて打ち3五での銀交換の権利を確保し、銀交換の前後に▲6八金や▲9六歩を入れ間合いを計った後、▲5五歩と突いたところ。
 ▲5五歩の狙いは、▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角と飛車取りに打ち4四に成り返ること。
 これに対し、丸山九段は平然と△3一玉と指して、上述の手順を甘受した。▲7一角以下△8一飛▲4四角成に△4三金(第3図)▲1一角成と香を取らせた。

 香損でも後に△2二銀と馬を閉じ込め、馬を捕獲する手を含みに指すというのだ。
 第3図では▲6二馬と指す手(私好み)もありそうだが、竜王は玉側の香を取って悪いはずがないと考えているはずだから、絶対香を取るはずと思って見ていた。(張り切って青字にしているが、控室のほとんどの棋士が▲1一馬の一手と見ていたようで、山崎七段だけ▲6二馬もあるかなとおっしゃっていた)
 実際、馬を取られるにしても、もう一手かかるし、銀と指し違えれば銀香よ角の二枚換えなので、先手充分のように思える。
 実際、『週刊将棋』の解説でも、丸山九段「香損で悪い。どの順が勝負になるかと…」、渡辺竜王も有利と思い、検討陣の見解は先手はっきり良しだそうだ。

 ここで、疑問。細心の手順を駆使したはずの丸山九段であったはず、どこがおかしかったのか?
 『週刊将棋』の解説には第2図で△3一玉で△9四歩とする手があったそうだ。この手にも本譜の手順はあるが、▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角△8一飛▲4四角成△4三金▲1一角成の時、△3三桂(参考図1)で

玉が4二にいるため、8一の飛の利きが1筋まで通り、馬当たりとなる仕組み。
 △9四歩の場合は▲1一角成とせず、▲6二馬と指した方がいいのかもしれない。
 とにかく、渡辺竜王の指し手は王道を歩んでいるように感じる。



 渡辺竜王優勢の第5図。

 ここで▲7三銀成と飛車取りに成り、飛車の態度を聞いておくのが良かったようで、△4二飛なら▲2六桂(参考図3)が飛車道を遮って変な気がするが、厳しい。

 図で△2五銀は▲3七桂が調子が良い。

 第5図での▲7三銀成はいつでも利きそうだし、△8一飛と逃げられた時、飛車が間接的に2一の桂に利いていて、玉が4二に移動した時、2一の桂に紐が付いてしまうのを嫌い、形を決めるのを躊躇ったのかと思ったら、「△4二飛とされて損だと思った」そうである。
 実戦は▲4五香。△4五同銀と取れば、▲2三歩成が生じるし、放置すれば香車が後手玉の脇の4筋に睨みを利かすので絶好手のように思える。
 ▲4五香以下、丸山九段は一旦△8七銀▲6九玉を決め、△4五銀と香を取る。これには予定通りとノータイムで▲2三歩成。以下△2三同銀▲同飛成△同金▲同馬(第6図)と進める。

 ▲4一金の詰めろと4五の銀取りが厳しい……はずだった。
 ところが、△8九飛と王手をされて、渡辺竜王が長考に沈む。71分後▲5八玉とかわす。この間、時折苦悶の表情を浮かべる。さらに、△4一香(第7図)に再び長考。こんな苦しそうな渡辺竜王は初めてだ。

 決め手のはずの4五の香を取られ、△4一香と打たれて狙い筋の詰めろと銀取りを受けられる。そのうえ標的であった銀に香を取られたばかりか、次に3六(5六)に進出されれば、4一の香とともに一気に4七の地点に咬みついてくる。さらに、8九の飛車とのコンビが最強となっている。しかも、その飛車は強襲しなければ後手の駒になりえなかった。……あっという間の転落。
 33分後に指された手は▲3三馬。せっかくの馬を角と交換するのでは明らかに変調だ。

 信じられない逆転。
 丸山九段の見事なうっちゃり、カウンター。
 しかし、私には渡辺竜王が油断という石ころにつまずき、たまたま振り回した丸山九段のこぶしが、クロスカウンター的に入ってしまったという気がしてならない。


 ちなみに、第4図で

▲6五同銀△同歩と桂を取ってから、▲2四歩△5五角▲4六桂△4五歩▲3四桂△2八角成▲3三歩△同桂▲2一銀(参考図2)のように進めるのが良かったそうだ。

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『南極大陸』 第5話

2011-11-14 14:25:25 | ドラマ・映画
 今週は氷室のトラウマと二人の友情がテーマと言えます。
 しかし、個人的にはボツンヌーテンの頂からの絶景とブリザードの中を健気に走る犬たちの姿だけが満足でした。あとは………

(今日の記事は逆説的な表現が多いです。こうでもしないと、表現がきつくなってしまうという苦肉の策ですが、実はスペードのAさんにかなり影響されています)

 あっという間に半年が経ったそうです。ボツンヌーテンへの経路予定表(到達表?)には10月20日ごろの期日が記入されていたので、4月中旬から10月中旬まで省略されてしまいました。南半球は北半球と季節が逆ですから、北半球に換算すると10月中旬~4月中旬の冬季(厳冬期)をすっ飛ばしてしまったことになります。
 南極の厳冬期というのは、極寒で昭和基地の8月の1日の最高気温の平均が-15.8℃です。それにイメージ的にはブリザードです。ただ、南極の年間の降水量は166mm(実際は雨ではなく雪)なので砂漠並みの降水量です。降雪量はともかく地吹雪の可能性も大いにありますし、これだけの寒さと日照量の少なさ(6月はずっと夜)なので、野外活動は困難と思われます。オーロラ観測には向いているかもしれませんが、極点に余り近いとオーロラ自体、少ないそうです。
 そんなわけで、厳冬期はエピソードが少なそうですが、「越冬隊」ですから、その部分を省略してしまうのは、変です。

 さて、今回は倉持(木村拓哉)が勝手に使命と決めたボツンヌーテン登頂の話です。なので、主人公特権的活躍と自己中心行動のオンパレードでした。

①予備調査に向かった倉持が、予定と一日遅れで帰ってきます。「珍しい鉱物があったので採取していたら遅くなってしまった」と弁明する。迎えに行く準備をしていた越冬隊のメンバーはホッとして、喜びます。皆、優しいです。ただ、氷室(堺雅人)だけが、「ここでは予定外の行動は命取りになる」と嫌味を言いますが、横を向いて「悪かった」と言う倉持、なかなかの精神力です。
 そこへ、内海(緒形直人)が、「氷室が一番心配していたんだ」と取り成します。
なんだ、ツンデレだったのか。

②雪上車が不調の中、倉持は犬ぞりだけでの強行軍を主張する。氷室が無謀だと進言するが、倉持は逆に気象に詳しい氷室に随行を希望する。名乗りを上げた内海は立場がありません

③気象に詳しく冷静な氷室が同行するので心強いです。荒天の可能性が高いと早めの休息(夜営)の彼の提案を先を焦る主人公・倉持はもう少しの進行を主張し、退けようとします。気象に関する助言を求めて氷室を帯同させたのに、その進言を聞き入れないキムタク、あ、違った、倉持は心が強いです
 その上、「お前には分からないと思うが、今日は犬の調子がいいんだ」と言い張る。と、タイミングよく犬塚(山本裕典)が、アカのしもやけが悪化して足から血を流しているのを発見します。さすがの強い心の倉持も非常にばつが悪そうです。夜営を認めますが「犬の(健康の)ためだ」と氷室の進言を聞き入れたわけではないことを念を押すことも忘れません。
 どこが犬の調子がいいのでしょうか?すでに体調不良や負傷した3匹を宗谷に返し、ベックを死なせた倉持、彼に任すと犬ぞり犬たちは、全員殉職です。
 氷室の予測どおりブリザードが来ましたが、倉持の心は揺らぎません。

④予定路と少し離れたところに小屋のようなものを発見、行ってみると鯨の残骸のよう。と、犬が吠えるので見ると、ソリのロープが絡まっていました。
 「犬塚、テツ、絡まってる(お前、ほどいてやれ!)。俺、飯、取ってくるから」と面倒なことは舎弟に任す的確な指示。案の定、解いたスキに、テツに逃げられてしまいます。
 あわてて二人は追いかけますが、追いつくはずもなく、「もどれ!」という声も無視されます。テツがどんな理由で、どこに向かって、走り去っていったのか、理解不能でしたが、その訳は22分後に判明しました
 鯨の残骸の中で休息する3人、ピノキオ状態です。胃液の心配をしなくて良いので、かなり恵まれています。
 テツを探したいのは山々ですが、ボツンヌーテン登頂を優先します。自分の欲望を果たすため犬のことなどどうでもいいのかと一瞬思いましたが、犬の帰巣本能に期待するとのことです。

⑤ブリザードが続き、磁場の関係でコンパスが役に立たず、現在位置も良く分かりません。事前調査を重ねてきたはずですが、何を調査してきたのでしょうか。教えていただきたいです。

⑥今週の前半は氷室を立てる脚本でしたが、後半は氷室は散々です。ソリごと滑落し骨折。足手まといになり、過去の登山でのトラウマを再体験させられます。
 なんとか鯨の残骸のところまでたどり着きますが、食糧も底を尽きてしまいました。
 もちろん、倉持は氷室を見捨てません。寒さで眠ろうとする二人を励まし、さらに自分のオーバーを脱いで二人に掛けてやります。さすが主人公、今までの強い心は伊達ではありません。
 外にいる犬を中に入れて暖めてもらうという方法は、プライドが許さなかったのでしょうか。さすが強い心の持ち主です。もしかすると、ひょっとしたら……思いつかなかったのでしょうか?

⑥絶体絶命の主人公たちですが、ここで行方不明のテツが帰ってきます。犬の帰巣本能は侮れません。これを実証するために、テツがトチ狂ったように走り去っていったことが判明しました。
 倉持はこの帰巣本能に懸け、クジラ小屋を示す地図をタロウ、ジロウ、リキに託し、放します。倉持の独断に、「何でいつもお前はそうなんだ!」と叫ぶ氷室、私の気持ちを代弁してくれました。

⑦倉持は、犬の餌をやるようにと凍傷の犬塚に命令、いえ、指示を出します。
 犬塚は早めに飯を切り上げ、餌をやりに外に出ます。気が利く舎弟で、この間、倉持と氷室は昔話や恋話に花を咲かせることができました。

 と、今回は特に疑問が多かったです。
 今回は氷室のトラウマと、ふたりの友情、そして、使命であるボツンヌーテン登頂、さらに遭難の危機と大盛り上がりの回………の筈なんですが、先に上げた疑問の数々もあり、盛り上がりを感じませんでした。
 それと、念願であるはずのボツンヌーテン登頂が、出発後20分で達成されてしまいました。「え?もう?」と思ってしまいました。あっけなさ過ぎです。そこからの絶景の素晴らしさが、そのあっけなさを軽減させてくれましたが。

 ボツンヌーテン登頂までで1回分にすればいいのに、倉持、氷室の二人の友情を絡めたため、時間的にもドラマ的にも登頂の困難さ、感動がなくなってしまいました。
 さらに言えば、綾瀬はるかを含む日本のシーンはいらないと思います。それを挿入することで、ストーリーは分断され、メーンの南極シーンの時間は短くなってしまいます。綾瀬はるかは好きな女優で、世間でも非常に人気があり、彼女を出すことで視聴率も取れると考えたのでしょうが、ストーリーを壊してしまっては本末転倒です。

 「宗谷を補強しなければ南極大陸に到達できない」という白崎総責任者(柴田恭兵)の言葉を聞いて、美幸(綾瀬はるか)は不安がっていましたが、補強をしない方が心配だと思います。無理やり心配しているような気がしてなりません。

 次週を見るべきか思案中です。

 それから、犬ぞりの必要性ですが、当時の雪上車の性能や、燃費を考えると犬ぞりは必須だったのかもしれません。
 昭和16年ごろ(越冬隊の10年前)まで使われていた雪上車(乗員2名)は、最大燃費 0.8リットル/km(リッター1250m)、燃料タンク 80リットル で、満タンにしても100kmが限界。越冬隊当時の雪上車の燃費は分かりませんが、犬ぞりは必要だったのではないでしょうか。 
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うろこ雲

2011-11-13 15:46:00 | 歳時
 昨日の記事『セイタカアワダチソウ畑?【10月28日撮影】』、この日はいい天気でした。これからこういうのどかな日はあまりないんだろうなあなどと思い、空を見上げると………
 暖かい日差しが澄んだ青空から降り注がれているのは当然感じていましたが、おお!見事なうろこ雲でした。



 セイタカアワダチソウの黄色、空の青と白の芸術を堪能した午後でした。
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『さざ波』 中田章道七段作 解答

2011-11-12 21:43:33 | 詰将棋
11月8日記事「『さざ波』 中田章道七段作」の解答です。



 玉の上部が開けているので、何となく▲1七香(途中図1)と打ってみたくなります。

 1七には玉方の角が利いているので取られてしまいますが、ここに駒を呼んでおくことで玉の逃げ道を封鎖する効果があり、途中図1で△1七同角成は、▲2四銀△1六玉▲1五金(変化図1)で詰みます。▲2四銀が打てるのも▲1七香の効果です(3五の角を移動させた)。
 ▲1七香を取れないので、1六に合駒することになりますが、駒を打つ(何を打っても)のは▲2五金で詰みます。
 そこで、玉方も△1六飛(途中図2)と移動合いの巧防を繰り出します。

 飛車を移動させることにより4七の角の利きを2五まで通したのです。とは言え、飛車が手に入りそうです。が、喜んですぐ飛びつくと詰みません。飛車を取る前に▲2四銀△同角と角を僻地に追いやってから▲1六香と飛車を取ります。
 ▲1六香に△1六同玉で途中図3。

 ここで平凡に▲2六金だと、△1七玉~1八玉~2九玉と逃げられてしまいます。
 そこで、初手の▲1七香と同じように▲1八飛(途中図4)と打ちます。

 △1八同とと上部を封鎖しておけば、▲2六金△1七玉▲2七金で詰みます。


 初手の▲1六玉、途中図4の▲1八飛と香、飛の直射砲の犠打で繰り返し迫り、最後に金がすり寄って仕留める。さざ波のような詰め方でした。
コメント (2)
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