古今和歌集 0686 2021-09-15 19:44:14 | 古今和歌集 かれはてむ のちをばしらで なつくさの ふかくもひとの おもほゆるかな かれはてむ 後をば知らで 夏草の 深くも人の 思ほゆるかな 凡河内躬恒 枯れてしまった後のことなどまるで知らずに深く生い茂る夏草のように、私も別れの時がやってきた後のことなど考えずに、深くあの人に思いを寄せていることよ。 「かれ」は「枯れ」と「離れ」の掛詞、「深く」は生い茂る夏草の作者の思いの両方を表現しています。後刻の憂いなどに思いを馳せることのない、熱中した恋心ですね。