かくこひむ ものとはわれも おもひにき こころのうらぞ まさしかりける
かく恋ひむ ものとはわれも 思ひにき 心のうらぞ まさしかりける
よみ人知らず
このように恋してしまうだろうと、自分でも思っていた。心の占いは正しかったのだ。
「うら」は「占」で占い、「まさし」は「正し」で正しい意。この「占い」は自ら施したのか、それとも他者に占ってもらったのか、どちらの解釈も成り立ちそうですが、上三句の「自分もそう思っていた」ということとのつながりで考えると、「占ってもらったらそう出ていたが、これほど恋しくなることは自分でもわかっていたよ」と解釈する方が自然な気がします。
さて、これで 700 首と、また区切りを迎えることができました。ご来訪くださる皆さまに心より感謝しつつ、明日からもひとつひとつ続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。