おもふてふ ことのはのみや あきをへて いろもかはらぬ ものにはあるらむ
思ふてふ 言の葉のみや 秋を経て 色も変はらぬ ものにはあるらむ
よみ人知らず
あなたを思うという言葉だけが、秋を経て木の葉の色が変わっても、変わらないものなのであろうか。
「言の葉のみや・・・色も変はらぬ」の表現に、秋が来れば木の葉は色づくのに、という対比が内包されていますね。初句の「思ふ」の主体を、作者ではなく作者が思いを寄せる相手であると考えることもでき、その場合は、「木の葉が色づいても、あの人の私への思いは変わらずにいてくれるだろうか」という不安な気持ちを綴った歌との解釈になるでしょう。