漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0673

2021-09-02 19:06:43 | 古今和歌集

あふことは たまのをばかり なのたつは よしののかはの たぎつせのごと

逢ふことは 玉の緒ばかり 名の立つは 吉野の川の たぎつ瀬のごと

 

よみ人知らず

 

 いとしい人との逢瀬はほんのわずかの時間なのに、噂が立つのは吉野川の激流のように早い。

 「玉の緒」は、0667 では「絶ゆ」に掛かる枕詞として使用されていましたが、ここでは時間が短いことの喩え。この意味での用法は 0568 にも例があります。