みちのくの あさかのぬまの はなかつみ かつみるひとに こひやわたらむ
陸奥の 安積の沼の 花かつみ かつ見る人に 恋ひやわたらむ
よみ人知らず
ちょっと逢っただけのあの人を、私は恋慕い続けるのだろうか。
第三句までが、次の「かつ(見る)」を導く序詞になっていて、従って実質的な歌意は下二句だけで表現されています。こういう歌を現代語に訳するのは難しいですね。今回は思い切って解釈文から上三句は、はしょってみました。(汗) 「花かつみ」は植物の名称とされますが、古来、具体的にどの植物のことなのかは不明。菖蒲、あやま、薦(こも)などの説があります。
今日から巻第十四「恋歌四」。実際に逢瀬が叶ってからの恋が描かれます。