漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0678

2021-09-07 19:07:34 | 古今和歌集

あひみずは こひしきことも なからまし おとにぞひとを きくべかりける

あひ見ずは 恋しきときも なからまし 音にぞ人を 聞くべかりける

 

よみ人知らず

 

 逢わずにいれば恋しく思うこともなかっただろうに、噂にだけあの人のことを聞いていれば良かった。

 晴れて恋人同士になれた後、何かの事情で逢えない日々の辛さを詠んだ歌。そうなってみると、逢瀬自体叶わずに噂だけが耳に入ってきて苦しんでいた頃の方がまだ良かったと思える、というわけですね。