みよしのの おおかはのへの ふじなみの なみにおもはば わがこひめやは
み吉野の 大川の辺の 藤波の なみに思はば わが恋ひめやは
よみ人知らず
普通に思っている程度だったなら、こんなにも恋しく思うことがあっただろうか。
第三句までは、第四句の「なみ(並み)」を導く序詞。万葉集第858番の歌(作者不詳)を踏まえた詠歌とされています。
わかゆつる まつらのかはの かはなみの なみにしもはば われこひめやも
若鮎釣る 松浦の川の 川波の なみにし思はば われ恋ひめやも
(万葉集 巻第五 第858番)