むらどりの たちにしわがな いまさらに ことなしぶとも しるしあらめや
群鳥の 立ちにしわが名 いまさらに ことなしぶとも しるしあらめや
よみ人知らず
群がった鳥が飛び立つように立ってしまった私の噂は、いまさら何もなかったようにふるまったところで、何の効果もないであろうよ。
「ことなしぶ」の「ぶ」は、名詞や形容詞の語幹に付いて、「そのような状態になる」「そのように振る舞う」の意の動詞を作る接尾語。「しるし」は漢字で書けばここでは「徴」「験」で、「ご利益」や「効果」といった意ですね。