漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 320

2024-03-01 06:15:30 | 貫之集

旅人の林のほとりに休みて、時鳥聞く

ほととぎす きつつこたかく なくこゑは ちよのさつきの しるべなりけり

時鳥 来つつ木高く 鳴く声は 千代の五月の しるべなりけり

 

旅人が林のほとりで休みながら、時鳥の声を聞いている

時鳥がやってきては木の高いところで鳴く声は、千代も変わらない五月のしるしなのであるよ。

 

 時鳥の鳴く声だけが五月の訪れを知るたよりと詠んだ 256 とほぼ同趣旨の歌ですね。