漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 346

2024-03-27 06:16:41 | 貫之集

水辺の菊

きくのはな ひちてながるる みづにさへ なみのしわなき やどにざりける

菊の花 ひちて流るる 水にさへ 波の皺なき 宿にざりける

 

水辺の菊

菊の花が水につかって流れると、そこはその川までも波が立たず、寄る年波の皺さえも見えない長寿の宿となるのであるよ。

 

 菊は長寿の源との伝承に基づき、菊とともに流れる水には波さへも経たないと詠んだ歌。菊の花びらが散って流れる川面の絵柄なのでしょう。美しい情景ですね。 ^^