年のはて、雪
わがやどに ふるしらゆきを はるにまだ としこえぬまの はなかとぞみる
わが宿に 降る白雪を 春にまだ 年越えぬ間の 花かとぞ見る
年の終わり、雪
私の家に降る白雪を、立春になってもまだ年が明けない間に咲いた花かと思って見る。
この歌は後拾遺和歌集(巻第六「冬」 第415番)に入集していますが、そちらでは清原元輔(きよはら の もとすけ)作とされています。事情は015、158と同様で、元輔が屏風歌の作例として手元においていた貫之歌を後人が誤って元輔の家集に加え、後拾遺集はそれをそのまま元輔作として採録したとの説が有力とされています。なお、後拾遺集では第五句が「はなとこそみれ」となっていますね。