漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 595

2024-12-01 05:21:39 | 貫之集

あめやまぬ やまのあまくも たちゐつつ やすけくもなき きみをしぞおもふ

雨やまぬ 山の天雲 立ちゐつつ やすけくもなき 君をしぞ思ふ

 

雨のやまない山の上の天雲のように晴れやかになれない気持ちで、心変わりするのではないかと心配なあなたのことを思う私であるよ。

 

 やまない雨とそれを降らせている天雲を、恋に苦しむ作者の心の象徴と捉えての詠歌ですね。
 この歌は、玉葉和歌集(巻第九「恋一」 第1332番)に入集しています。