漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 624

2024-12-30 05:02:54 | 貫之集

わびわたる わがみはつゆを おなじくは きみがかきねの くさにきえなむ

わびわたる わが身は露を おなじくは 君が垣根の 草に消えなむ

 

いつもわびしく暮らしているわが身は露のようなもの。できることなら露のように、あなたの家の垣根の草に置いて消えてしまいたい。

 

 この歌は後撰和歌集(巻第十「恋二」 第649番)に入集しており、そちらでは「心せざる女の家のあたりにまかりて、いひいれはべりける」との詞書が付されています。