漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 601

2024-12-07 06:06:37 | 貫之集

あきかぜに はぎのしたばの いろづけば ひとりぬるみぞ こひまさりける

秋風に 萩の下葉の 色づけば ひとり寝る身ぞ 恋ひまさりける

 

秋風が吹いて萩の下葉が色づくと、一人寝の身はいっそう恋しさがつのることよ。

 

 「萩の下葉」は万葉集以来しばしば歌に詠まれてきました。それが色づくのは、愛しい人の心変わりを象徴している、と捉えての詠歌が多いようです。本歌もその類でしょうか。