いろもなき こころをひとに そめしより うつろはむとは おもはざりしを
色もなき 心を人に そめしより うつろはむとは 思はざりしを
色もない私の心をあの人の色に染めてからというもの、その色が褪せることがあろうとは思わなかったのに。
愛しい人の色にそまった自分の心のその色が褪せる。褪せるのは、相手の心が離れて行ってしまったからでしょう。悲しい恋の歌ですね。
この歌は古今和歌集(巻第十四「恋四」 第729番)、拾遺和歌集(巻第十三「恋三」 第842番)に入集しています。前者では第五句が「おもほえなくに」、後者では「わがおもはなくに」とされています。