漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 610

2024-12-16 04:21:08 | 貫之集

ゆめぢにも つゆぞおくらし よもすがら かよへるそでの ひちてかわかぬ

夢路にも 露ぞおくらし 夜もすがら 通へる袖の ひちてかわかぬ

 

夢の通い路にも露が置くらしい。夢で夜通し愛しい人のもとに通った私の衣の袖が濡れて乾かない。

 

 初句「夢路にも」は、「起きている間はもちろん、夢の中でさえも」ということですね。
 この歌は、古今和歌集(巻第十二「恋歌二」 第574番)に入集しており、そちらでは第二句が「露やおくらむ」とされています。