漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0567

2021-05-19 19:59:57 | 古今和歌集

きみこふる なみだのとこに みちぬれば みをつくしてぞ われはなりぬる

君恋ふる 涙の床に みちぬれば みをつくしてぞ われはなりぬる

 

藤原興風

 

 あなたを恋い慕う涙が寝床に満ちてしまったので、私は水先案内の澪標となって、恋心に身を尽くしているのだ。

 「みをつくし」は「澪標(往来する舟のために水路の目印として立ててある杭)」と「身を尽くし」の掛詞で、和歌表現の常套手段。百人一首(第20番)採録の歌がつとに有名ですね。

 

わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ

わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ

 

元良親王

(後撰和歌集 巻十三「恋歌五」 第960番)

 

 



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