漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0068

2020-01-06 19:33:09 | 古今和歌集

みるひとも なきやまざとの さくらばな ほかのちりなむ のちぞさかまし

見る人も なき山里の 桜花 ほかの散りなむ のちぞ咲かまし


伊勢






 見る人もいない山里の桜花よ、他の花が散ってしまったあとに咲けばよいものを。

 詞書に「亭子院歌合の時よめる」とありますが、この「亭子院歌合」が開催されたのは913年。古今集にこの歌合から採られた歌が3首あり、古今集の成立年を論じる際にひとつの材料とされます。
 全二十巻からなる古今集の巻第一「春歌上」はこの歌でおしまい。0066 からこの 0068 まで、桜が「散りなむのち」のことを歌った三首で締めくくりとなります。



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