大学院を卒業して、愛知に就職したとき。
相変わらず、僕は単車に乗っていた。同期入社で単車に乗っている
奴はほとんどいなかったように記憶している。
職場が職場だけに、同期の中でも自動車好きが多くて、初任給が
入ると思い思いの車を手に入れる奴が多かった。
僕もそれに漏れずに、自分の車を手に入れることにした。
後ろに荷物が好きなだけ積み込めるワゴンタイプの車が欲しくて、
以前から気に入っていた、カリブをご購入。
僕の独身寮では、単車と自動車を同時に持つことが禁止されていた
ので、同期で単車に乗っている奴は、実家に単車を置いておいたり
していた。実家を離れている僕は、単車の置き場に困ったし、
外の駐車場を借りるほどお金に余裕があるわけでもなかったので、
単車を手放すことにした。
手元に残ったお金をそのままにしていると無駄に使ってしまいそう
だったので、そのまま独身寮の近くにある自転車のプロショップへ
出掛けて行って、MARINE製のMTBを手に入れた。当時、98.000円
だったと思う。
一応、僕の体格に合うサイズに合うものを用意してもらった。
当時としては、本格的なMTBだったけれど、飲み会がある時とかの
駅に向かう通勤用の足として使っていた。
結婚して独身寮を出て、社宅へ引っ越しして、時々は自転車通勤を
していたけれど、仕事が忙しく、毎日午前様が続いていた頃だった
ので、基本的に通勤は自動車だった。
海外に赴任することになって、引越しの荷物が制限されることも
あり、結局、この2号機は、日本国内の倉庫にその他の荷物と
一緒に5年間の間、保管されることになった。
ドイツに移ってから、自転車を再開して、ロードレーサーとMTBを
それぞれ一台ずつ手に入れた。
5年後、日本に戻ってきたときに倉庫から返却されてきたけれど、
乗るのは、新しく手に入れた方ばかりで、家の裏に自転車カバーを
掛けたまま、放置されてしまっていた。