釧路川に架かる橋として有名なのは何と言っても「幣舞橋」だけど、他にも注目すべき橋はあります。
釧路川河口から見て二番目にあるのが、今日紹介するこの橋。
「久寿里橋」とかいて「くすりばし」と読む、全長113メートル、幅員23メートルの橋。
幣舞橋も現在の物は五代目ですが、この橋も現在の物は三代目で、1981年10月に完成しています。
ここで紹介したいのは、橋そのものもさることながら、この橋の名前について。
この「クスリ」というのは、「釧路」という地名の語源と言われています。(注:諸説ある中の一説です)
「クスリ」とは、「薬」若しくは「温泉」を意味するアイヌ語で、釧路川が、弟子屈町にある「屈斜路(くっしゃろ)湖」の原名である「クスリ湖」を水源としているため「クスリ川」と呼ばれたことから、その河口にあるコタン(集落)である現在の釧路市域が「クスリ」と命名されたとされています。
「クスリ」という読み方に対しては、橋の名前である「久寿里」や「久摺」など、幾つかの漢字表記が歴史上見られたようですが、1869年8月15日、「蝦夷地」を「北海道」と改称したことに伴う国郡制の実施によって、「釧路国」「釧路郡」が誕生しました。
かの松浦武四郎が上申した地名の案としては、郡の表記が「久摺」になっていたとされていますが、太政官布告によって「釧路郡」と決定されたとのことです。
「クスリ」という名前の残っている場所の跡は市内にも幾つかあるので、そちらも追って紹介していきたいと思います。
「久寿里橋」の全景。
(橋の場所はこちら)
最後に、今日も午後から図書館に行ってきたけれど、どうしても函館と比較してしまっていたせいか、第一印象は今一つだったのが、何度か通ううちに、釧路とその周辺の郷土資料の探し方がわかってきたようで、函館にいたときと同様、郷土資料を取り出して読むのが面白くなってきました。
そんな郷土資料の中には、書店でも購入できる物もあります。
例えば、
「釧路新書」というシリーズがあるのです。
岩波とか各出版社の新書と同じくらいのボリュームで、読みやすく便利です。