西部地区にある教会をこれまで三つ紹介してきましたが(「カトリック元町教会」「函館ハリストス正教会」「日本聖公会函館聖ヨハネ教会」)、西部地区には、比較的狭いエリアの中に、四つのキリスト教宗派の教会が、集まるように建っていることでも知られています。
四つ目は、私がトライアル(実地試験)を突破しているガイドコースには入っていないのだけど、他の三つと同じくらい歴史ある教会です。
「日本基督教団函館教会」。これまで出てこなかった、プロテスタントの教会です。
函館におけるプロテスタントの歴史は、アメリカ人宣教師のM・C・ハリス氏が、1874年に伝道したのが始まりとされています。
解説板にも書かれていますが、その頃函館では、ドイツから来日していた代理領事が、「外国人が日本の国体を汚し、天皇を廃そうと策している」という極端な排外思想に捉われ、外国人殺害の目的で来函していた旧秋田藩士に惨殺されるという事件が起こっていました。
事件を受け、ハリス師は、護身のために拳銃を携帯するよう知人に勧められましたが、武器を持つのは恥であるとして、海に投げ捨てたという逸話が残されており、それどころか、町の人々と積極的に交流を重ねていたことでも知られています。
1877年に最初の会堂が落成した後、大火による建物の焼失、再建が繰り返され、1931年に、現在の鉄筋コンクリート造り2階建ての会堂が完成しました。
会堂内では、1981年にドイツ製のパイプオルガンが設置され、現在でも神聖な音を奏でています。
今回は日中に行ってみましたが、この辺りの教会群は、夜になると綺麗にライトアップされるので、もう少し日没が早くなったら行ってみようと思っています。
実は、夜の教会群を回るというガイドコースもあるので、そちらにもいずれ(目標は9月末まで)チャレンジしてみたいと思います。
「基督」と書いて「キリスト」と読むのは有名ですが、何故「基督」と表記されるのかはずっと疑問だったので、この機会に少し調べてみました。
元々「キリスト」とは、ギリシア語の「khristos」(「油を注いで清められた者」の意)に由来するとされ、日本に伝来した当初は「キリシト」と発音されていたこともあったそうですが、中国イエズス会によって「基利斯督」と音訳され、それが縮小されて「基督」と表記されるようになったというのが有力説だそうです。
私は大学受験を控えていた高校3年生のとき、全国の大学のガイドブック的な本を読んでいて、東京にある「国際基督教大学」のことを知りましたが、最初は「きとく」と読んでしまい、後に「キリスト」と読むと知ったときは衝撃だったのを覚えています。