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「米朝首脳会談による北非核化進展望めず」が「米中のハイテク貿易戦争は再度勃発」

2018-06-16 08:08:43 | 日記

トランプ氏は6月12日に米朝首脳会談を終え、皮肉なことに北朝鮮対策で中国の協力を得る必要性が低下したことで、ハイテク分野での米側要求を通すため、中国に対して通商法301条発動を決断したとみられる。トランプ氏は当初は制裁措置をちらつかせることで中国との「ディール(取引)」を優位に進め、巨額の対中貿易赤字や知財侵害といった問題を一気に解決する思惑だった。しかし、中国はハイテク分野など産業政策の根幹に関わる要求には強い拒否反応を示し続けた。トランプ氏は米朝首脳会談で米国本土に対する核の脅威が低下したことで、再度中国に対して制裁カードを切る決断をした。北朝鮮の後ろ盾、中国との貿易戦争勃発は北朝鮮非核化の進展が難しく、一筋縄ではいかぬ証明でもあります。しかし、中国は米国との貿易で一方的に利益を得ている立場で、どこかで譲歩・妥協しそうです。

以下抜粋コピー

北朝鮮非核化の焦点である「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄(CVID)」が共同声明に入らなかったのは、事前交渉で北朝鮮が全く聞く耳を持たなかったからだと思う。しかも「4月27日の板門店宣言を再確認し」として、非核化の定義を南北合意に依存させたことは、米朝間での非核化議論をさらに困難にするだろう。ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官との交渉に非核化議論を委ねたことも気になる。声明には北朝鮮の核兵器廃棄に関する言及はなく、事実上、非核化の進展は望めなくなった。

 ボクシングに例えれば、第1ラウンドは北朝鮮の粘り勝ちだ。第2ラウンド以降も逆転の可能性は少ない。北朝鮮は非核化に向けた取り組みで時間稼ぎに成功した上、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は国際的評価を上げ、米国から体制保証も得た。

 一方、トランプ米大統領は「歴史的会談のための会談」という見せ物で国際的関心を集めたが、米国が得たものは少ない。外交交渉としては驚くほど稚拙で、交渉の達人ではなく、興行の達人だったということだ。トランプ氏は記者会見で「北朝鮮は核兵器を破棄する」と繰り返し、会談の意義を強調したが、実にむなしく響いた。

 朝鮮半島問題は新しい次元に入った。新しい平和のレジーム(体制)はできそうになく、朝鮮半島問題は漂流を始めるだろう。米国は主導権を取る立場にはなくなった。北朝鮮に核兵器放棄の意図はなく、あったとしても切り札にするだろう。今回の会談は対北経済制裁解除のキックオフになる。韓国や中国、ロシアが制裁緩和に動き始め、これまでのような対北制裁包囲網は構築しにくくなった。これまでの北朝鮮の対応を踏まえれば、今回の結果はある程度予想できた。日本政府は驚くべきではないし、日本は「蚊帳の外」でもない。トランプ氏に正論を言えるのは世界中で安倍晋三首相しかいない。

 拉致問題の解決には日朝交渉が不可欠だ。安倍首相はトランプ氏と緊密に連携し、北朝鮮に非核化に向けた具体的な行動を求めていく強い姿勢が求められる。宮家邦彦氏

コメント (1)
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