『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」

2021-12-09 05:00:10 | 日記
藤井聡太×山中伸弥 スペシャル対談  (抜粋)
藤井    将棋でも当然、AIの影響で戦法の変化があったんですけど、大きく変わったというわけではありません。
ただ、序盤において、今ではあまり指されていないような形にも可能性が見いだされるようになったのかなと
は感じています。 
藤井    囲碁や将棋といった空間が限られた世界のボードゲームでは、競争という点では完全にAIのほうが
強くなっています。だからこれからはコンピュータを活用することで、逆に人間がどんどん強くなっていく
という段階に入っていく気がします。
山中    将棋の世界ではずいぶん前から、AIが名人に勝ったりするので、「人間対AI」という図式は、もう過
去のものになっているということですね。
藤井    はい。人間とAIの対決というところから、また新たな段階に入ったというか、AIを活用して逆に人間がどう
強くなるかに移っていると思います。棋士自体が強くなるとともに、評価値というかたちでファンの方に、よりわ
かりやすく将棋を楽しんでいただける。将棋は見ているだけではどちらが優勢なのかプロでもわからない対局が多
いので。人間とAIが共存するかたちになってくると思います。
山中    なるほど。そうすると、ステップアップというか、全体のレベルがものすごく上がる可能性がありますね。
とくに若い人はみんな抵抗なくAIを使うでしょうからね。 
藤井    コンピュータを活用していくことでどういう変化があるかというのは、本当にまだわからないことなんです。
山中    確かにAIの使い方は僕もよくわからないんです。AIが進化することによって、いろいろな職業を奪ってしまう
んじゃないかと言われていますよね。科学者は生き残るのか、それとも科学者も仕事を奪われる絶滅危惧種の一つな
のかどうか。膨大なデータの解析などはAIのほうが間違いなく圧倒的に速い。理論物理といった分野は、かなりAIに
置き換わっていくのかなという気もします。実験物理など膨大な実験が必要なところでも、AIが完全に人間の仕事を
奪ってしまうのかどうか。希望的観測としては人間が頑張ってほしいなと思いますね。 もうAIの能力がすごくなりす
ぎて、僕にも予測がつきません。次世代といわれる量子コンピュータが実現した時に至っては、本当に想像を超えています。
囲碁や将棋だと、AIが自分でどんどん対戦することによって、自動的に学んでいくわけですよね。そういうシミュレー
ションのようなことを、研究の場面でAIがやるのかどうか、できるかどうか。いったいどこまで行くのか。
藤井    将棋においては今はAIがどんどん強くなっていて、人間がAIから学ぶことのほうがはるかに多いです。
山中    いわゆるデジタルネイティブの20歳以下の人が、みんなそうやって強くなってくると、上の世代はこれか
らかなり厳しくなるんじゃないでしょうか。研究者の世界はもうけっこうそうなっていますよ。生物学の研究でも
急速にビッグデータを扱うようになって、コンピュータの解析が必須になっています。僕はそんなことできないから
いろいろな人と共同研究をして、その情報を得ることで全体的な理解はしているんですけど、根幹のところは理解で
きていないんです。だから研究者のピークは、これまでは40歳ぐらいかなと思っていたけれど、これからは30代と
か20代ぐらいになってしまうかもしれないなぁと思っています。  
コメント
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