いよいよ❝2022箱根駅伝❞も3週間後に迫り、各有力校もエントリーメンバーを発表しました。怪我や選手層、不振などまさかの
有力選手が外れています。各校事情は違いますが、優勝争いにも深くかかわりそうですね。
箱根駅伝を駆ける各大学16名のエントリーメンバーが発表された。 おそらく前日、前々日には各大学でメンバーが発表され
選手はいろんな感情を抱いて、その日を過ごしたことだろう。16名に入った選手は、本番に向けてより集中し、外れた選手は
彼らをバックアップする側に回る。落選した理由は、故障や力そのものが及ばなかった場合などいろんなケースがある。気持ち
を整理できない選手もいるが、この厳しさがあるからこそ箱根駅伝は人々を魅了するのだろう。
駒大)選手層が厚すぎて“有力選手”が続々と落選
駒澤大学は、疲労骨折からの復帰が心配された鈴木芽吹(2年)が登録された。2年生が8名登録され、今季の駒大の強さを
象徴するメンバー構成になったが、その2年生の中で赤津勇進が外れた。5000mで13分52秒27、10000mでは28分30秒64
の持ちタイムがあり、出雲駅伝では5区に出走、10位と力を発揮できなかったが、「次、挽回したい」と意欲的だっただけに
悔しい落選になった。 3年生では全日本エントリー組の円健介と中島隆太が漏れた。円は世田谷ハーフで23位(1時間04分
14秒)とインパクトがある結果を残せなかった。また、昨季の箱根6区で根性の走りを見せて区間賞を勝ち取り、逆転劇を点火
させた花崎悠紀(4年)も落選した。6区という特殊区間で花崎のレベルのタイムを出せる選手が控えているのが選手層の厚い駒
大の強みだが、あの爆発的でエネルギッシュな走りを見せた花崎の代わりに誰が山を下るのか、非常に楽しみだ。
東洋大)箱根へのラストチャンスを掴めなかった選手も
東洋大学は、三大駅伝の初戦、出雲駅伝は3位と好スタートを切ったが、全日本大学駅伝は10位とシード権を失う結果に終
わった。箱根は昨季3位と復活しただけに、今季は順位を落とすことは許されない。 2つの駅伝出場組から漏れたのは、菅
野大輝(2年)だけだ。菅野は全日本6区を走ったが11キロ手前でしゃがみ込むなど体調不良で13位に終わり、その後も回復がで
きなかった。主力級では2020年箱根駅伝で10区19位に終わった及川瑠音(3年)が漏れている。今年7月のホクレンディスタン
ス士別大会では5000mで13分47秒98、12月の日体大記録会の10000mでは28分55秒52とそれぞれ自己ベストを出し、調子
を上げてきていただけに残念な落選だった。来年のラストチャンスに賭けることになる。 また、1年時、箱根駅伝8区を走
り、東海大の小松陽平に抜かれて、その後、調子が上がらないまま最終学年を迎えた鈴木宗孝(4年)は、復活の姿を見せるこ
となく、箱根を去ることになった。
青学大)他大学であれば“間違いなく主力”の選手でさえ…
青山学院大学は、10000m28分台が23名、5000m13分台が26名もいる。言ってみれば箱根駅伝に2チームをエントリーで
きるぐらいの分厚い選手層を持つ。それゆえエースの近藤幸太郎(3年)他、絶対に外せない選手以外は、トラックでの選考
レースでふるい落とし、本番を見据えて勝負に強く、コンディションがいい状態の選手をエントリーしている。 力のある
選手の中では、10000m部内4位で28分28秒97のタイムを持つ小原響(2年)と今年の出雲駅伝5区6位と健闘した目片将大(3年)
がエントリーから外れた。特に目片は、原晋監督が箱根選考レースとして重視していた世田谷ハーフで1時間03秒16で8位と
いい走りをみせていただけに、落選は驚きだった。さらに脇田幸太朗(3年)も外れるなど、特殊区間での走りが期待される
選手が軒並み漏れているのは飯田貴之(4年)、高橋勇輝(4年)に対する高い信頼度の証でもあるだろう。 力があり、他の大
学なら間違いなくレギュラークラスの選手ゆえに非常に残念だが、トラックでの選考で振り落とされ、分厚い選手層の壁に
阻まれたと言えよう。
東国大)出雲駅伝初優勝に貢献のルーキー佐藤榛紀が落選
東京国際大は、なんといっても出雲駅伝2区4位で初優勝に貢献、全日本大学駅伝1区10位と健闘したルーキーの佐藤榛
紀の落選に驚きだ。「箱根に出場したら1区もしくは3区」と希望区間を述べ、出場に胸を膨らませていただけに何かし
らのアクシデントがあったということだろう。 1年から7区6位、8区5位、6区19位と箱根を駆けてきた芳賀宏太郎(4年)も
エントリーメンバーから落選した。ある程度、安定した走りが計算できる上級生は箱根には欠かせない戦力だが、それだけ
に芳賀の不在も非常に痛いところだ。また、箱根の山を駆ける激坂に出場し、18位だった川畑昇大(2年)も外れている。川畑
を越えるレベルで山を上る選手の目途がついているとすれば、往路優勝も見えてきそうだ。 その他、帝京大では、昨季の
箱根駅伝6区で走行中に疲労骨折となり、区間20位で9位に転落した三原魁人(4年)が怪我のためにエントリーから漏れている。
しかし、不在を想定して準備をしてきており、大きな穴はほとんどない。
國學院大は出雲、全日本大学に出走した選手は、全員箱根駅伝にエントリーされ、隙がないメンバー構成になっている。
ただ、全日本大学駅伝予選会で1組10位とまずまずの走りを見せ、全日本本戦のエントリーメンバーに入っていた川崎康生
(3年)、同じく全日本にエントリーされ、世田谷ハーフで18位(1時間04分07秒)だった阿久津佑介(3年)は箱根駅伝出場を果た
せなかった。この2人は、来季のラストチャンスに賭けることになる。