『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

2022年にも米国株式は2ケタ上昇する?巨額マネーはどこへ?見方が割れる米株式市場

2021-12-08 07:23:07 | 日記


米国株が絶好調です。7日の米株式市場で米ダウ工業株30種平均は続伸し、前日比492ドル(1.4%)高の3万5719ドルで終えた。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の重症化リスクなどを巡り、楽観的な見方が広がったのが買いにつながった。景
気敏感株やハイテク株も上昇し、ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3%高となった。7日の東京市場ではソフトバ
ンクグループ(9984)の大幅高が相場反発のけん引役だった。米ハイテク株高を支えにきょうも買いが続けば、個人投資家の
心理改善につながるだろう。日経平均が2万9000円に近づく場面では主力株を中心にいったん戻り待ちの売りが出て、上値を
抑えることも考えられる。3万円の攻防は年末まで続きそうですが、下記のように米国株が強い動きをすれば、暫くは買い優勢
ではないでしょうか?


2021年も12月に入り、来年の市場見通しが気になる時期になった。2021年を振り返ると、結果的に米国株式市場が
世界の株式市場をけん引してきたということができる。依然として、世界の市場に大きな影響力のある米国市場は、2022
年にどのような展開になるのだろうか? ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・ソリューションズのポートフ
ォリオ・マネジャー兼リード・ポートフォリオ・ストラテジストであるジャック・ジャナスウィックス氏とポートフォリオ
ストラテジストのギャレット・メルソン氏が共同で12月3日に発表した「2022年の展望」などを参照し、来年を展望し
てみたい。
◆米国株式市場に引き続き強気の見通し
 ナティクシスの米国株式市場に対する見方は、「2022年は不確実性と変化に満ちながらも、経済は堅調な成長を続ける」
というのが基本路線だ。「(新型コロナウイルスのオミクロン変異種など)増大し続ける“心配の壁”を越えるほど、市場は上伸
する可能性が高い」とみている。「(米国株式の上昇率は)典型的な5~7%成長の年ではない」とし「2桁の上伸が期待され
月日が進むにつれ上昇していくことは難しくない」と結論している。  その根拠の1つになっているのが、企業業績の堅調な伸
びだ。2021年第3四半期(7月~9月)の決算について「堅調なトップラインの成長がコスト上昇圧力やサプライチェーン
の混乱による影響を上回る恩恵をもたらしたと表明する企業が相次いだ」と振り返り、今回の経済成長の特徴に「収益の成長が
持続的に過小評価されてきた」と指摘している。「投資家は、パンデミックを通じたコストの管理と最適化による営業レバレッ
ジの効果を過小評価しているため、今後1年間は同じことが繰り返される」と見通している。すなわち、企業業績は事前の予想
以上に好調な内容が発表され、そのたびに、株価が評価して上昇するという21年に見られたパターンが22年も継続するとい
うのだ。また、米国では消費支出も堅調な状態が続くと予想している。「消費者のバランスシートはかつてないほど強固で、コ
ロナ危機を通じて2.7兆ドルを超える過剰貯蓄が蓄積されており再借入れを行う余地も十分にある」ことが背景だ。また、企
業も手元資金が潤沢で、設備投資を増額する意向を多くの企業が表明し、「現金の多くは、消費を通じた利益の増加につながる
か、貯蓄や自社株買いを通じたPER(株価収益率)の上昇をもたらす」とする。そして、サプライチェーンの混乱は在庫水準
を圧迫し続けており、今後在庫の積み増しが必要となるためこれも成長へのさらなる追い風になると分析している。さらに、「
ミレニアル世代の人口増加に支えられ、2022年以降も堅調に推移する可能性が高い住宅市場も成長のけん引役となる」と付
け加えている。したがって、「バリュエーションが拡大しているとよく耳にしますが、(債券市場などと比較すると)株式は割
安に見えます」と結論している。そして、2022年の投資戦略として、「株式をオーバーウェイトとし、米国株を優先し、テ
クニカルセクターとシクリカルセクターにバーベル型に投資することです。テクノロジー株は引き続き健全な消費に支えられ
半導体などのシクリカル株は設備投資サイクルの台頭から恩恵を受ける見通しです。産業、素材、金融、エネルギーなどの広範
なシクリカルセクターは名目成長率が好調に推移する見通しであることから、引き続き予想を上回る業績を発表すると思われま
す」とした。
◆インフレ率の上昇は22年に落ち着く?
 このような株式市場を予測するにあたって、ナティクシスはインフレは大幅な上昇にはならないとの見方をしている。レポー
トでは、「インフレ率は、コロナ禍前よりも高い水準となると大方予想されます。しかし、大幅な上昇を予想することには反対
です。インフレは、持続的かつ着実な上昇ではなく、一時的な物価の上昇に終わる可能性が高いと見ています」としている。
また、「市場では、賃金の上昇率に注目が集まっていますが、絶対値での金額の増加を見ると話は違ってきます。賃金の上昇率
が最も大きいのは、平均時給が最も低い層です。つまり、時給10ドルの人の賃金が15%上昇するのと、時給50ドルの人の
賃金が15%上昇するのとでは、累積での金額が大きく異なるのです。平均時給の低い層に起こる賃金増だけでは、需要によ
る価格上昇を維持するには不十分なのです」と、インフレ率が高進するという予測の根拠は薄弱だとみている。
 そして、「2022年後半に3回の利上げを行うという現在の予想は、市場が先走りすぎているのではないかと注意していま
す」という。「2022年のどこかの時点で、金利の上昇が株式市場を揺るがすきっかけとなる可能性がある」と身構えている
ものの、利上げに対して過度に警戒して株式へのポジションを縮小する必要はないとの考えのようだ。
 「2022年に3回の利上げ」というのは、CME(シカゴマーカンタイル取引所)の「FedWatch」という市場関係
者の予測を集約するツール等で22年に3回の利上げがあるという見方が50%を超えている点などが根拠になっている。F
RBの理事の間で、インフレ警戒による金融引き締めを主張する「タカ派」的な発言が続いていることも、22年は利上げが複
数回実施されるとの見方の背景だ。ナティクシスは、このような見方を否定する考えに立っていることになる。 また、このよ
うなインフレと金利引き上げの見通しについては、12月6日に「マクロ経済見通し(2021年12月)」を発表したシュロ
ーダー・インベストメント・マネジメントの見通しにも一致する。シュローダーは、「供給ボトルネックの問題が継続すると考
えられ、2022年1-3月期は高い水準で推移すると見込んでいます。その後、2022年は、コモディティのベース効果が
薄れ、供給サイドの問題が緩和すると見込まれることから、インフレ率は落ち着く」との見通しだ。米国の利上げについても
「2022年12月には0.25%の利上げを実施し、2023年内にはさらに1%の利上げを実施する」との見方で2022
年は1回の利上げに留まるとしている。ただ、米国経済の見通しについては「景気刺激策の効果の剥落やこれまで控えてきた
消費が出てくる現象の一巡感、およびより高いインフレ率を背景に、2022年の米国経済成長率見通しは3.2%に減速する
(2021年の成長率見通し5.4%)」との見方をしている。このように、株価の形成に大きな影響があると考えられる「
経済成長率」、「インフレ率」や「金利水準」の見通しについての見方は各社によって当然ながらばらつきがある。最終的な投
資判断をするのは、投資家自身が自らの判断で行わなければならない。これからは、運用会社も含めて様々な経済調査機関から
来年の見通しについて情報が出てくるイミングだ。情報のアンテナを高くして、情報を集めていきたい。
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