2度目の防衛を目指す藤井聡太五冠が豊島将之九段の挑戦を受ける「お~いお茶杯第63期王位戦」七番勝負が6月28、29日愛知県犬山市のホテルインディゴ犬山有楽苑で立会小林健二九段の元 第1局を迎える。七番勝負で持ち時間8時間の2日制、1日目の終わりには封じ手を行う。
この二人の将棋は、とにかく内容が高度、これが現代将棋の最高峰という戦いを見せてくれます。研究熱心な二人であるが故に、お互い対局を楽しみにしていたでしょう。昨年は、持ち時間4時間の叡王戦では先手番の2局ともに勝った豊島九段、中距離将棋では勝てるチャンスが十分あると思います。しかし持ち時間8時間の王位戦・竜王戦といった長距離将棋では、途中まで良い形で闘っていても、最後にスタミナの差が出てしまって、藤井王位に引き離されるパターンだったと思います。長距離将棋の終盤でも、全く集中力が落ちない藤井王位、豊島九段はどんな対策を見せてくれるでしょうか。
❷ 豊島九段とは今年はあまり対戦がないので、昨年までとは違った戦いになると思います」と警戒心をにじませた。
現在、永瀬拓矢王座(29)との棋聖戦も1勝1敗で進行中。よりタイトな日程となるが、「シリーズを意識するよりも、目の前の一局に集中して臨む意識でやっていけたら」と自然体。東海出身棋士対決が昨年に続いて愛知で開幕することに喜びを語り「期待に応えられるシリーズにできれば」と気を引き締めた。
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庭園『有楽苑』にある国宝茶室で、”国宝三名席”のひとつ。
❸封じ手は☗3三桂成 ?
18時、小林健九段が封じ手の定刻になったことを告げると、豊島はすぐに封じる意思を示した。封じ手に使った時間は39分。1日目の消費時間は☗豊島2時間7分、☖藤井5時間4分。対局は29日の9時から指し継がれる。対局室に戻ってきた豊島が封じ手の入った封筒2通を藤井に渡し、藤井が署名を入れて豊島に返す。最後に豊島が封筒を小林健九段に預けて、1日目が終了した。