8日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は193.24ドル高の31774.52ドル、ナスダックは70.23ポ イント高の11862.13で取引を終了した。週次の失業保険申請件数が予想外に減少し強 い労働市場が証明されたほか、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ を目標値まで引き下げるまで力強く行動すると公約したため金利高を警戒した売り に、寄り付き後、下落。欧州中央銀行(ECB)が過去最大規模の利上げを実施したほ か、追加利上げの可能性が指摘されたため警戒感から伸び悩んだ。その後、国内の大 幅利上げにもかかわらず景気後退入りが回避できると軟着陸(ソフトランディング) 期待に伴う買いが強まり上昇に転じた。
昨日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比634円高の2万8065円と急反騰。上げ幅は600円を超え、フシ目の2万8000円を上回った。前日の米国株市場ではハイテク株などを中心に買い戻され、NYダウが435ドル高、ナスダック総合株価指数が246ポイント高と揃って大きく切り返した。ナスダック指数は直近7日連続安と下げが顕著であったことから、その反動で上昇率は2%超となっている。そして、リスクオンのバトンを渡された東京市場も先物主導による買い戻しの動きが誘発された。
米国株市場では、8月のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長のタカ派発言を境に、最近までひたすら下値を切り下げる展開にあったが、ようやく歯止めがかかった。冷静に見れば、ここでのパウエル氏のコメントはインフレ抑制を最優先するというこれまでの延長線上に過ぎず、サプライズと呼べるような内容ではなかった。来年利下げのシナリオをマーケットが勝手に作り上げ、そして勝手に潰した。そのプロセスが8月下旬を分水嶺とする米株市場の“往って来い相場”にそのまま映し出されている。いずれにしても、現状はレンジの範囲内の動きであり、何か、ショックがあれば上下にブレやすいと考えるべきです。
溜まっていたショートポジションの買い戻しがどのタイミングで来るか、これが市場関係者の話題であったが、ECB理事会(ラガルドECB総裁の記者会見)とパウエルFRB議長の討論会出席が予定される8日よりも前の段階で巻き戻しが入った。日柄的に耐え切れず、売り方がイベントドリブンを避けて前倒しで手仕舞いした結果といえるが、首尾よく東京市場もこの流れに乗る形となった。
基本的に当面の日経平均はボックス相場との認識でよいと思われる。下げトレンドが続いた後に大陽線もしくはマドを開けて反発に転じた場合、その後もしばらくリバウンド局面が続くパターンが繰り返されてきた。今回もそのパターンを踏襲することを期待したいが、とりあえず今晩の欧州株や米国株の動きに左右されることは避けられない。ECB理事会の結果とラガルドECB総裁の記者会見が注目されるが、ECBは0.75%の利上げに動く可能性が高いとみられている。ドイツをはじめ欧州経済のリセッション懸念も強く意識されるなか、0.5%にとどめる線も残されている。ただ、市場では「0.5%だった場合でも利上げの打ち止め感が出るわけではないので、これを好感して株式市場が活気を取り戻すような展開にはなりにくい」(生保系エコノミスト)という声が出ていた。同日にパウエルFRB議長のパネル討論も予定されているが、ジャクソンホール会議から日が浅く、新たな思惑を生じさせるような発言は極力避けるはず。米国株はパウエル氏の目論見通りかどうかは別として大きく調整したので、今回のディスカッションで輪をかけてタカ派的なことを発信する必要もなく、その点ではマーケットの側からみて安心感がある。
米国株市場では、8月のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長のタカ派発言を境に、最近までひたすら下値を切り下げる展開にあったが、ようやく歯止めがかかった。冷静に見れば、ここでのパウエル氏のコメントはインフレ抑制を最優先するというこれまでの延長線上に過ぎず、サプライズと呼べるような内容ではなかった。来年利下げのシナリオをマーケットが勝手に作り上げ、そして勝手に潰した。そのプロセスが8月下旬を分水嶺とする米株市場の“往って来い相場”にそのまま映し出されている。いずれにしても、現状はレンジの範囲内の動きであり、何か、ショックがあれば上下にブレやすいと考えるべきです。
溜まっていたショートポジションの買い戻しがどのタイミングで来るか、これが市場関係者の話題であったが、ECB理事会(ラガルドECB総裁の記者会見)とパウエルFRB議長の討論会出席が予定される8日よりも前の段階で巻き戻しが入った。日柄的に耐え切れず、売り方がイベントドリブンを避けて前倒しで手仕舞いした結果といえるが、首尾よく東京市場もこの流れに乗る形となった。
基本的に当面の日経平均はボックス相場との認識でよいと思われる。下げトレンドが続いた後に大陽線もしくはマドを開けて反発に転じた場合、その後もしばらくリバウンド局面が続くパターンが繰り返されてきた。今回もそのパターンを踏襲することを期待したいが、とりあえず今晩の欧州株や米国株の動きに左右されることは避けられない。ECB理事会の結果とラガルドECB総裁の記者会見が注目されるが、ECBは0.75%の利上げに動く可能性が高いとみられている。ドイツをはじめ欧州経済のリセッション懸念も強く意識されるなか、0.5%にとどめる線も残されている。ただ、市場では「0.5%だった場合でも利上げの打ち止め感が出るわけではないので、これを好感して株式市場が活気を取り戻すような展開にはなりにくい」(生保系エコノミスト)という声が出ていた。同日にパウエルFRB議長のパネル討論も予定されているが、ジャクソンホール会議から日が浅く、新たな思惑を生じさせるような発言は極力避けるはず。米国株はパウエル氏の目論見通りかどうかは別として大きく調整したので、今回のディスカッションで輪をかけてタカ派的なことを発信する必要もなく、その点ではマーケットの側からみて安心感がある。