monologue
夜明けに向けて
 



 宣教師のジェームズ・ラッセル師はわたしの家に来ると宗教関係の話しをするのではなくいつも互いの青春期に聴いたアメリカの音楽の話をした。日本語があまりうまくないのでわたしと米語でそんな思い出話をできるのが息抜きになったのだろう。

 わたしは「わかりあえる日まで」を「By the day we see eye to eye」として英語で歌うのならリードシンガーであるMIYUKIの発音がどの程度のものなのか気になってわたしの歌We all need Love を歌うMIYUKIのカセットテープをラッセル師に聴いてもらった。すると、「かの女はネイティヴなのかい?」と不思議そうにわたしに尋ねる。日本人が歌っているように聴こえないようだった。それなら英語ヴァージョンで歌っても大丈夫と安心した。それから日本語ヴァージョン、英語ヴァージョン、そして日本語と英語、半々の三つのヴァージョンを練習しておいた。このときはまだ予測していなかったがそれがシンガポールの本番で役に立つことになるのである。
fumio


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