monologue
夜明けに向けて
 



高校時代のわたしがアメリカのヒットランキングをノートにつけていた1965年のブリティシュ・インヴェィジョンの頃、Moody Bluesという英国のバンドの Go Now という曲がヒットした。おきまりのリズム&ブルースを基調にしたロックバンドだと思っていたのだがのちにポ-ル・マッカートニーに誘われてウイングスに参加するギターのデニー・レインが脱退してから採り上げる曲想が Tuesday Afternoon のようにがらりと変わってしまった。それからかれらの音楽はプログレッシヴロックと呼ばれるようになった。ヒットを目指すのではなく独特の思想性や内省的な世界観を表現しているようだった。よくわからないけれどポップソング好きのわたしにもそのサウンドは耳に心地よく響いた。今思えばそれがわたしにとってのプログレッシヴロックの入り口だったようである。


  そしてそれから10年ほど経て渡米したわたしとプログレ好きのギタリスト中島茂男が出会い一緒に作り宮下富実夫がプロデュースするSFのアルバム「プロセス」 のミックスダウンに選んだスタジオがマリブの丘にかれらムーディ・ブルースが作ったインディゴランチスタジオ だったのである。なにかみんなプログレッシヴロックの細い糸で縁が結ばれていたような気がする。そう、ムーディ・ブルースは高校時代以来、今もなおわたしのお気に入りのバンドのひとつなのである。
fumio

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