「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「フラガール」(2)

2006年10月03日 22時15分18秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40729505.html からの続き)

 最初は場末の宴会場で、爺さんに野次られたり ガキに座布団を投げられたり。

 踊りも様にならず、舞台から落ちたり、ぶざまで みっともないこと。

 彼女たちは、時に不協和音や 辛い別れがありながら、

 「プロのダンサー」 として 少しずつ成長していきます。

 また、心を閉ざして高慢だった 教師・まどかも、

 娘たちに感化されて 温かい心を取り戻していきます。

 時代や土地の価値観は、住む人間の生き方を 否応なく締めつけますが、

 己の夢と情熱をもって、自分や周囲を 変えていく人の姿が 感銘を招くのですね。

 紀美子の母親も、少しずつ娘の踊りを 理解していきます。

 フラダンスの 美しい手の動きには、手話のように ひとつずつ意味があるそうです。

 山場のエピソードでは、これが巧みに活かされ 涙を誘いました。

 
 そして、最後のクライマックスは もちろん、

 ハワイアンセンター・オープンの日、フラダンス公演の舞台です。

 人間ドラマ,音楽が相まって 盛り上がり、

 カットバックや スローモーションも挿入して、実に見事な演出でした。

 主人公・紀美子の ソロダンスのシーン、映画は最高潮に達します。

 主演・蒼井優が見せる ダンスの上達は、本当に素晴らしい の一言につきます。

 教師役の松雪泰子よりも うまい。

 蒼井優の熱演が、この映画の出来ばえを 2倍,3倍に 仕立て上げました。

 紀美子のダンスも 蒼井優の女優魂も、共に感動に値する 素敵なものでした。

 
 僕は 映画を見る何ヶ月か前、「フラガール」 のポスターを 初めて目にしたとき、

 映画の内容も分からず、「ダサそうな映画だな」 と思っていました。

 ところがその後 作品の好評を見聞きし、楽しみに観にいった次第ですが、

 アカデミー賞外国語作品 代表作決定 というのも頷けます。

 今年の 屈指の一作でしょう。
 
コメント
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