「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「手紙」

2006年10月12日 10時02分11秒 | 映画
 
 東野圭吾の原作を 映画化、試写で観てきました。

 直貴(山田孝之)の 兄・剛志(玉山鉄二)は、

 直貴の学費のために 盗みを働き、誤って 家人を殺してしまいます。

 兄弟は 塀の中と外で ずっと手紙を交わし合います。

 しかし直貴は、身内に殺人犯がいることが 周りに知られると、

 仕事もやめさせられ、住居も追い払われ、

 そんなことを 何度も繰り返す 羽目になります。

 お笑い芸人を目指していますが、やはり兄の存在のために、

 夢を諦めなければならず、

 恋人とも 別れざるを得なくなってしまいます。

 兄がいる限り、直貴の人生は 決して日の目を見ることはない。

 そして 兄との手紙を絶つことに……。

 直貴に思いを寄せる 由美子(沢尻エリカ)は、そんな直貴を 力づけようとします。

 現実から逃げるのではなく、ここで 生きていかなければならないのだと。

 抗いがたい 厳しい現実の重み。

 けれども それにつぶされずに、あくまでも 立ち向かっていこうとする勇気。

 それを 作品は描いていきます。

 人の繋がりと 希望を 感じさせる映画だと思います。
 

 沢尻エリカの由美子は、最初は軽そうな、

 何を考えているのか 分からないような女に 感じられましたが、

 地面に根を張った、性根の座った 女性のようでした。

 陰ながら 兄弟の絆を支えていたのです。

 一方 山田孝之は、お笑い芸人には 向きませんでしたね。

 やっぱり 暗い。 (^^;)

 殺人犯の弟が お笑いという設定にも 無理があるのかとも思いますが。

 でも ラストシーンの、お笑いを活かしたシチュエーションは

 とても上出来で効いており、感涙をそそられる 名場面でした。