障害者の 車椅子ラグビー 「ウィルチェア・ラグビー」 を描く、
ドキュメント映画です。
この競技は、以前 仕事がらみで 少し調べたことがあって、
関心を持って観に行きました。
メタルのバンパーなどを取り付け、戦車のように重装備した 車椅子を駆使し、
激しく体当たりして 相手をひっくり返したり、
それはまさに 格闘技です。
その凄まじさのあまり、以前は 「マーダー(殺人)ボール」 と言われていました。
でも スポンサーの受けが良くないので、
「ウィルチェアラグビー」 に改められたとか。
選手は四肢障害者ながら、健常者よりもはるかに強烈な
気力とキャラクターの 持ち主たちです。
(何故 四肢障害者の腕が動くのか、説明がなかったのが 残念でした。)
パラリンピックや世界選手権に 参加することに意義がある などという
甘っちょろい動機ではなく、あくまでも 相手を倒し、
勝利をもぎ取ることを 目的にしています。
コーチや選手たちの 気合の入れようは猛烈で、見ていて 血管が切れそうなほどです。
勝敗が決まったときの 喜びや落胆ぶりも、他のどんなスポーツにも
優るとも劣りません。
本当に 彼らの力強い 息吹を感じます。
映画では、各選手が どのような事情で障害を受け、
どんな道のりを経て 現在に至っているか ということも描いています。
障害の克服の 記録でもあるでしょう。
そして 選手や車椅子の姿を、とても ドキュメントとは思えない
力動的なカメラワークで 活写していきます。
撮影と編集には 相当な苦心が 込められていることでしょう。
選手にも映画にも、彼らの意気込みと 刻苦勉励が 感じ取れます。
とても活力が得られる 映画でした。