「対人関係での混沌状態」 は BPの5つの調整不全のひとつで、
問題解決を妨げます。
第一に、 BPが子供時代、
感情調整不全のために コミュニケーションの問題があれば、
問題解決技能を持てないままに なってしまうことがあります。
第二に、 BPが 人とぶつかりがちな関係を持っていれば、
人の怒りを恐れて回避するかもしれません。
感情から逃れたいからだけでなく、
「また失敗する」 という 対人的なおびえのために 回避するのです。
第三に、 人に助けを求める方法にも 問題があります。
子供のときに 「大騒ぎする」 のが 問題解決の唯一の方法だと 学んだ人は、
大人になっても 大きな声で 自己本位な要求をしがちです。
他の方法を知らないのです。
BPのこのような要求で 悩まされていたら、
行動の背後にあるものを知ると 役に立つかもしれません。
BPは 問題を解決できないと信じていて、 多くの不安や恐怖を感じています。
恐怖や不安は、 その原因を回避させようとし、 問題解決能力を減少させます。
通常なら 「助けてくれると助かります」 というものが、
高度な不安では 「いいか、 絶対に私を助けろ」 になるかもしれません。
BPの一部は、 無力だというスタンスをとります。
あなたがそれを、 同情を引くためだと考えると、 腹立たしく感じるでしょう。
そこで、 本当に起きていることを 知るのが大切です。
多くの場合は恥が、 BPを無力に振る舞わせているのです。
BPを救出するために 待機させられているのは辛いことです。
特に、 ノーと言いたくなる 求め方をされるときには。
けれども、 BPが 問題解決の方法を学べなかったこと,
コミュニケーション技能を持っていないことを 理解すると、
積極的受動性に対して 違う反応ができるでしょう。
それは BPの問題解決の力を 改善するプロセスなのです。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]