止むことのない危機に巻き込まれている人は、
すでに何かが起こっていて それに反応していることがしばしばです。
今まさに 圧倒的な危機の只中にあり、
それを終わらせるために、 衝動的行動をしてしまいます。
そしてその行動が、 それ自体の危機をもたらすのです。
BPには認知の問題があり、
感情が思考を押しのけてしまったり、 問題解決技能も欠けていたりするのです。
感情の調整と問題解決こそが、
止むことのない危機から 脱出するための良薬となり得るのです。
しかしながら、 衝動的行動が危機の結果であり、 危機の原因でもあるとき、
この連鎖を断ち切るのは 難しいかもしれません。
危機的状況が慢性化してしまっているとき、 そこから抜け出すのは困難でしょう。
○ まずい価値判断 + 下手な問題解決
BPは、 悲劇的な結末になる 危機的行動のきっかけを 作ろうと思ってはいません。
発生する問題は多くが、 まずい価値判断の結果であり、
それが下手な問題解決で 複雑化しているのです。
BPの行動は制御不能になっています。
身体的, 感情的, または人生の問題に 圧倒されている感覚は、
危機的行動の前兆となります。
感情的苦痛やストレスを 取り除いてくれることのほうに、 精を出してしまうのです。
BPは 問題解決の方法を思い付かなかったり、 問題の解決策を無視したりします。
そのために、 BPは 危機が続くことを望んでいると 思われてしまうのです。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]