「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

衝動で行動する: 原因か結果か? 

2015年12月20日 18時37分36秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 止むことのない危機に巻き込まれている人は、
 
 すでに何かが起こっていて それに反応していることがしばしばです。
 
 今まさに 圧倒的な危機の只中にあり、
 
 それを終わらせるために、 衝動的行動をしてしまいます。
 
 そしてその行動が、 それ自体の危機をもたらすのです。
 
 BPには認知の問題があり、
 
 感情が思考を押しのけてしまったり、 問題解決技能も欠けていたりするのです。
 
 感情の調整と問題解決こそが、
 
 止むことのない危機から 脱出するための良薬となり得るのです。
 
 しかしながら、 衝動的行動が危機の結果であり、 危機の原因でもあるとき、
 
 この連鎖を断ち切るのは 難しいかもしれません。
 
 危機的状況が慢性化してしまっているとき、 そこから抜け出すのは困難でしょう。
 
○ まずい価値判断 + 下手な問題解決
 
 BPは、 悲劇的な結末になる 危機的行動のきっかけを 作ろうと思ってはいません。
 
 発生する問題は多くが、 まずい価値判断の結果であり、
 
 それが下手な問題解決で 複雑化しているのです。
 
 BPの行動は制御不能になっています。
 
 身体的, 感情的, または人生の問題に 圧倒されている感覚は、
 
 危機的行動の前兆となります。
 
 感情的苦痛やストレスを 取り除いてくれることのほうに、 精を出してしまうのです。
 
 BPは 問題解決の方法を思い付かなかったり、 問題の解決策を無視したりします。
 
 そのために、 BPは 危機が続くことを望んでいると 思われてしまうのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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