「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

感情のマスキング

2015年12月12日 21時09分37秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 見せかけのコンピテンスは、 感情を隠すことの 最終的な結果です。
 
 BPは 感情が顔や体に出ないよう、 感情をマスキングしてしまいます。
 
 それは次の理由からです。
 
1. 子供時代、 ネガティブな感情を表わすのは (或いは持つことも)
 
   不適切だと学んでしまった。
 
2. 長い間、 ネガティブな感情の表現を 罰せられてきた。
 
 BPは 感情のせいで 繰り返しトラブルに陥るので、
 
 感情と感情表現の間に 壁を築きます。
 
 シャットダウンを始めますが、 感情の自然な表現をも抑制します。
 
 本当は怒っているのに笑ったり、 悲しいのに大丈夫と言ったりするのです。
 
 BPは人生最悪の日に、 何が起こったのか あなたに語りますが、
 
 表情は涙ぐんでもいませんし、 声はか細くもありません。
 
 その人は 実際に制御不能だと感じていて、 自殺を考えているかもしれないのに、
 
 それを正確に伝えていないかもしれません。
 
 もし あなたの反応が物足りないと、 BPはあなたに 腹を立てるかもしれません。
 
 或いは、 絶望してしまうかもしれません。
 
 もしBPが 恐ろしい経験を話しているのに、 感情表現が欠けているなら、
 
 自問してください。
 
・ この状況で、 自分ならどう感じるだろうか? 
 
  BPの非言語的行動ではなく、 言葉を信用しましょう。
 
・ BPに、 あなたが見ているものと 聞いているものの違いを述べて、
 
  どちらが正しいのか確認しましょう。
 
 マスキングは、 相手をコントロールしようとする 試みではありません。
 
 制御不能な感情との 厄介な経験に対する 適応反応なのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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