多くのnon-BPが、 妥当ではない罪責感を持ちます。
倫理観の範囲内のことをしても、 罪責感を持ってしまうのです。
これはnon-BP, BP, 二人の関係にとって 有害です。
例えば BPが夜、 酔っぱらって電話をしてきて、 感情を露にしたため、
あなたは限界を超えて 電話を切りました。
そして、 それに対して罪責感を持ちます。
この罪責感に対して、 ふたつのことをする可能性があります。
1. BPに電話をかけ直し、 話をする。
(BPが酔っぱらって電話をすることを 強化します。)
2. 次回、 BPが好ましくないものを必要とするとき、
それが有益でないと知りながら 与えてしまう。
あるBPは、 夫と喧嘩したとき、 大量服薬して入院しました。
退院すると、 夫は沢山のバラを用意し、 食事を作り、 毎日掃除をしました。
その次に 二人が意見が合わなかったとき、 BPは大量服薬しました。
夫は再び花を買い、 行動を変えました。
夫は 口論には罪責感がありませんでしたが、 入院には罪責感があったのです。
しかし 彼の罪責感は妥当ではないし、
そこから出た彼の行動は、 妻の行動を強化し、
彼女の自殺傾向や入院を 増やすのです。
彼女が大量服薬をした場合には、 花を買ったりしないことが必要です。
夫は別の感情 -- 悲しみ, 恐怖, 欲求不満 -- を感じるでしょうが、
彼の行動が 自殺企図の原因ではありません。
彼は補償行動をせずに 入院を許容しなければなりませんが、
やがて妻は大量服薬をやめ、 入院もしなくなりました。
強化子は、 気付かないうちに働くのです。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]