(前の記事からの続き)
○ 感情の内的経験の回避 (2)
o 解離
BPはしばしば 悲しみを抑制し、 全く悲しそうに見えません。
これは時として 解離しているからかもしれません。
解離は 意識を感情から離して、 感情をシャットダウンすることです。
「ぼうっとしている」 ときや 「気が抜けている」 とき、
人は感情を経験していません。
これらの感情は 未経験のまま蓄積し、
のちには噴火して 極度の危険を生み出すでしょう。
o 別の感情へのシフト
時として人は、 別の感情を経験するという手段で、 ある感情を回避します。
例えば怒りは、 悲しみを回避することを助けてくれます。
怒りは悲しみより対処しやすいものです。
もしBPが悲しいのに 怒りや他の感情で回避していたら、 悲しみを承認しましょう。
悲しいのに怒っている とは言わないように。
そう言うと承認していないことになり、 爆発に繋がるでしょう。
代わりに、 「私だったら悲しい」 のように言って、 反応を見ましょう。
時には 正常な感情へ導くことができます。
あなたの言うことを 否定するかもしれませんが、 口論しないように。
悲しみは恐ろしく、 その中で溺れさせはしないと 伝えましょう。
○ 悲しみの外的な合図の回避
悲嘆を抑制するとき、 悲しみを引き起こす 外的なでき事を回避するかもしれません。
過去の悲しみや喪失に関連する 場所, 人, 物を避けるのです。
例えば、 愛する人と別れて、 再会したいと望んでいても、
もう一度 喪失するのではないかと恐れて、 会うことを拒否するBPがいます。
そしてより孤立し、 より悲しく、 罪責感, 恥を感じるようになりました。
次には これらの感情を回避しなければならなくなり、 衝動的な行動をします。
それが ネガティブな感情を さらに多く引き起し、 周りの誤解を生み、
またそれが 回避すべきネガティブな感情を さらに引き起こします。
最終的には、 破滅的な行動に繋がってしまいます。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]