「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

親の感受性

2016年01月23日 21時05分07秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BPDの子供の親 (養育者) は、
 
 障害が 自分の落ち度によるもののように 感じます。
 
 しかし 責任はあなたにはありません。
 
 BPDは、 生物学的なもの, 適合の良し悪し,
 
 多数の要因が集まった 嵐のようなものです。
 
 BPの多くが、 子供にとって申し分のない 家庭に育っています。
 
 親は最善を尽くしたのです。
 
 鍵となるのは 生物学と環境との適合度と 考えられます。
 
 誰でも意図せず、 人に対して 非承認になってしまうことがあります。
 
 親は罪責感から 償いをしたくなりますが、
 
 必要のない償いをしてしまうと、 親族と効果的に対処できなくなり、
 
 子供がBPDを改善させるのを 邪魔しかねません。
 
 家族は償いをしようとして 人生を費やします。
 
 誰もが他人を傷つけますが、 多くは意図したものではありません。
 
 その罪責感で、 子供を過保護にするのは よくないことです。
 
 過度に助けようとするのは、 BPの能力を奪い、 無能力を強化してしまいます。
 
 知らないうちに 自殺行動や問題行動を 強化してしまうのです。
 
 あるBPの女性は、
 
 子供のとき 弟が病気のために、 両親から面倒を見てもらえませんでした。
 
 成人後BPD症状が生じ、 病院で過ごしました。
 
 退院後、 両親は罪責感から 彼女に大金を費やして養います。
 
 彼女はますますうつ状態になり、 自殺企図と入院を招きました。
 
 両親の罪責感が 効果的な行動の妨げになっていたのです。
 
 両親は彼女と セラピーを受け、 彼女への過度の援助をやめました。
 
 彼女は自分で 働かなければならなくなったのです。
 
 彼女は苦労しましたが、 その後二度と入院しませんでした。
 
 両親の問題は、 妥当でない罪責感から 償いをしたことではなく、
 
 彼女が自分の役割を 果たさなかったときに、
 
 妥当な罪責感を感じなかったことなのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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