「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

圧倒的な悲しみに 感情の回避が加わって

2016年01月13日 20時54分29秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 感情からの唯一の出口は、 感情を経験することです。
 
 しかしBPは感情を恐れ、 感情の経験から逃れようとするのです。
 
 喪失への反応が 無感情という場合があるでしょう。
 
 極度の感情の覚醒 (泣くなど) と、
 
 極度の感情の回避 (全くの無表情) の間を 交互に揺れ動くのです。
 
 飲酒, 自傷, 逃亡などの 衝動的行動をして、
 
 感情から逃げようとするかもしれません。
 
 止むことのない危機のパターンです。
 
 あるいは 感情的にシャットダウンすることによって、 逃避するかもしれません。
 
 抑圧された感情は 出てくるときには 「爆発」 してしまうので、
 
 極端な感情の覚醒と 感情のシャットダウンの間で 循環が発生します。
 
 これらの感情は 次第に回避が難しくなり、 他の感情的な経験を悪化させ、
 
 その循環は膨らんでいきます。
 
○ ネガティブな感情が 決して終わらないという信念
 
 BPは 苦痛な感情は 永遠に続くと信じているので、
 
 感情を経験することに 抵抗するのかもしれません。
 
 悲しみの中で溺死するような、 感情の津波に巻き込まれる 経験をしています。
 
 悲嘆は際限がなく、 破壊的なものに見えるのです。
 
 BPの内側は 感情の塊であるかのようです。
 
 ネガティブな感情で溺れ死なないように、 感情を経験し始めることをしないのです。
 
 悲しみと嘆きが BPには制御不能に感じられます。
 
 感情恐怖症, 特に悲嘆恐怖症になる 可能性があります。
 
 弁証法的行動療法ではこのシャットダウンを、  「悲嘆の抑制」 と呼んでいます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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