感情をシャットダウンしようとするひとつの兆候は、 衝動的行動です。
もうひとつの兆候は、 表情や身体言語の欠如です。
これにはふたつの様相があります。
感情の内的経験の回避と、 感情の外的合図の回避です。
○ 感情の内的経験の回避
悲嘆を経験しているとき、
全く感情を示さないか、 関係のない感情を示すかもしれません。
これは 「見せかけのコンピテンス (有能さ)」 とは別のものです。
見せかけのコンピテンスの場合、
BPは感情を経験していても、 それを示さないか、 正確に示しません。
これを 「感情のマスキング」 と呼びます。
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64953892.html )
悲嘆の抑制では、 BPは 感情を全く経験していません。
シャットダウンしていることに 気付いていることもあれば、
認識していないこともあります。
感情の内的経験の回避は、 通常意図的ではありません。
時間をかけて学習されたものです。
BPから突然表情が消えたら、 無意識で感情を抑制しているかもしれません。
一方、 感情の内的経験を 意図的に回避することもあります。
意図的と無意識の相違は、
例えば親の葬儀で、 感情を表わさずに 「やるべきことをやっている」 人と、
ショック状態なっている人や、 参列さえせず 酒を飲んでいる人の違いです。
(次の記事に続く)
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]